Patient-derived xenograftモデルを用いた泌尿器癌治療抵抗性獲得機序の解明と克服

抄録:泌尿器癌に対する各治療の効果は一時的であることが多く, いずれは治療抵抗性を獲得する. その機序を解明することにより, 治療抵抗性獲得を抑制する新規治療薬の開発にも結び付く可能性がある. しかし, 臨床において治療抵抗性となった腫瘍組織を採取することは稀であり, その機序の解明は困難である. 我々は以前より, 患者組織を直接免疫不全マウスに移植するpatient-derived xenograft(PDX)モデルを用いた研究を行ってきた. PDXモデルは, 各治療による腫瘍縮小効果を評価すると共に, それらの組織における遺伝子解析が可能である. 我々が今まで行ってきたPDXモデルを用いた...

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Published in西日本泌尿器科 Vol. 84; no. 6; pp. 602 - 607
Main Author 寺田直樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本泌尿器科学会 01.08.2022
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Summary:抄録:泌尿器癌に対する各治療の効果は一時的であることが多く, いずれは治療抵抗性を獲得する. その機序を解明することにより, 治療抵抗性獲得を抑制する新規治療薬の開発にも結び付く可能性がある. しかし, 臨床において治療抵抗性となった腫瘍組織を採取することは稀であり, その機序の解明は困難である. 我々は以前より, 患者組織を直接免疫不全マウスに移植するpatient-derived xenograft(PDX)モデルを用いた研究を行ってきた. PDXモデルは, 各治療による腫瘍縮小効果を評価すると共に, それらの組織における遺伝子解析が可能である. 我々が今まで行ってきたPDXモデルを用いた泌尿器癌治療抵抗性獲得機序に関する研究成果を紹介し, 今後のプレシジョン医療へ応用できる可能性について述べる.
ISSN:0029-0726