「第106回日本耳鼻咽喉科学会総会シンポジウム」耳鼻咽喉科疾患診断の最近の進歩 頭頸部癌のPET診断
18-フルオロデオキシグルコース(FDG)を用いるPET(Positron Emission Tomography)検査により, 癌の糖代謝の程度, すなわちバイアビリティーを反映する画像が得られる. このため形態情報を主とするCTやMRIと比べて以下の点で優れている. (1)頸部リンパ節転移の原発巣の検出:PETによる検出率は平均30%でそれほど高くはないが, CT/MRIによる検出は困難である. (2)病期診断(特にリンパ節転移診断~:PETによる病期診断の感度, 特異度は平均84%, 89%である. 一方, 頭頸部は解剖学的構造が複雑であること, 組織密度差が少ないことからCT/MRIに...
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Published in | 日本耳鼻咽喉科学会会報 Vol. 108; no. 11; pp. 1071 - 1078 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本耳鼻咽喉科学会
2005
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Summary: | 18-フルオロデオキシグルコース(FDG)を用いるPET(Positron Emission Tomography)検査により, 癌の糖代謝の程度, すなわちバイアビリティーを反映する画像が得られる. このため形態情報を主とするCTやMRIと比べて以下の点で優れている. (1)頸部リンパ節転移の原発巣の検出:PETによる検出率は平均30%でそれほど高くはないが, CT/MRIによる検出は困難である. (2)病期診断(特にリンパ節転移診断~:PETによる病期診断の感度, 特異度は平均84%, 89%である. 一方, 頭頸部は解剖学的構造が複雑であること, 組織密度差が少ないことからCT/MRIによる感度, 特異度は75%, 65%程度である. (3)再発診断:治療後の解剖学的構造の変化, 組織密度の変化のため, CT/MRIによる再発の診断精度は低く, 感度, 特異度はそれぞれ67%, 61%程度であった. 一方, PETにも弱点がある. 1)分解能が低いこと;PETの分解能は5~6mm程度であり, 1cm以下の腫瘍の検出率はかなり低下する. 2)解剖学的情報の欠如:糖代謝の多寡に依存した画像で解剖学的情報を欠く(最近, CTとPETを合体したCT/PETが導入され, この欠点が補なえるようになってきた). |
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ISSN: | 0030-6622 |