W4-1. 口腔癌のQOL評価, 統一基準の設定を求めて
Quality of life(QOL)は口腔癌患者において最も考慮されるべき問題であり, 治療評価法として生存率あるいは臓器, 機能温存の向上にとどまらず患者のQOLを評価, 改善することの重要性が増してきている. 現在では様々なQOL評価方法あり, QOLは主に7つのカテゴリー, 社会的, 生活領域, 生活行事, 精神的, 社会心理的, 総合的QOL, そして結果行動に分類することが出来る. また, QOL測定法として医療スタッフが患者査定を行うのではなく, 患者によって記入される調査票を用い, 患者の立場から測定させることが重要である. そして, 何よりもQOLは生命を脅かされている患者...
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Published in | 日本口腔腫瘍学会誌 Vol. 18; no. 4; p. 142 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本口腔腫瘍学会
2006
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Online Access | Get full text |
ISSN | 0915-5988 |
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Summary: | Quality of life(QOL)は口腔癌患者において最も考慮されるべき問題であり, 治療評価法として生存率あるいは臓器, 機能温存の向上にとどまらず患者のQOLを評価, 改善することの重要性が増してきている. 現在では様々なQOL評価方法あり, QOLは主に7つのカテゴリー, 社会的, 生活領域, 生活行事, 精神的, 社会心理的, 総合的QOL, そして結果行動に分類することが出来る. また, QOL測定法として医療スタッフが患者査定を行うのではなく, 患者によって記入される調査票を用い, 患者の立場から測定させることが重要である. そして, 何よりもQOLは生命を脅かされている患者に. 効果的治療を行うか否かの決定における重要な要素となるため, 常に世界的に信頼性と妥当性の高い価値のある測定方法を用いて, 患者のQOLを判定することが重要である. よってQOL測定法の選択に際しては, 患者記入式で. 測定項目に上記7つのカテゴリーを含み, 世界的に信頼性と妥当性の確認された測定法を選択することが肝心である. 今回, 癌研究治療ヨーロッパ機構(EORTC)が提案したEORTC QLQ-C30を紹介する. これは癌患者の広範な形態に適応した一連のQOL項目を網羅する中心的手法であり, 43言語に翻訳, 確認され, 妥当性は13か国305人の患者へ用いて評価された. また, QLQ-C30は特定のサブグループに重要な側面を判定するため, より特異的なモジュールによって補足されるよう意図されており, 様々な癌や白血病, 高度化学療法, 緩和ケアなどのモジュールがある. 口腔癌患者に対しては, 頭頸部癌研のQOL調査票であるEORTC QLQ-H&N35があり, 12か国622人の頭頸部癌患者へ用いて信頼性と妥当性が評価された. さらに, この測定法は日本語版の交叉文化的適応が行われている. 当科ではこの測定法を使用して評価しており, まだ短期間ではあるが, 現在までの結果を併せて報告する. |
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ISSN: | 0915-5988 |