B-38. 口腔扁平上皮癌における腫瘍血管形成度と放射線治療効果の関連―MvD及び201Tl SPECTによる評価

【目的】口腔扁平上皮癌術前放射線治療施行例において腫瘍血管形成度が治療効果に与える影響を明らかにする. 【方法】口腔扁平上皮癌放射線治療施行例11例において治療前後に 201Tl chloride single photon emission computed tomography(Tl SPECT)を行った. 関心領域を腫瘍周囲と対側頭皮に設定し, 治療前後の平均カウント(TN)の比(pre-T/N, post-T/N). 縮小率(reduction ratio=RR)[(pre-T/N-post-T/N)/pre-T/N]を算出した. CD31モノクローナル抗体を用いて治療前生検標本の免疫...

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Published in日本口腔腫瘍学会誌 Vol. 17; no. 3; p. 169
Main Authors 鈴木亜矢, 戸川貴史, 小村健, 南雲正男
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本口腔腫瘍学会 2005
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Summary:【目的】口腔扁平上皮癌術前放射線治療施行例において腫瘍血管形成度が治療効果に与える影響を明らかにする. 【方法】口腔扁平上皮癌放射線治療施行例11例において治療前後に 201Tl chloride single photon emission computed tomography(Tl SPECT)を行った. 関心領域を腫瘍周囲と対側頭皮に設定し, 治療前後の平均カウント(TN)の比(pre-T/N, post-T/N). 縮小率(reduction ratio=RR)[(pre-T/N-post-T/N)/pre-T/N]を算出した. CD31モノクローナル抗体を用いて治療前生検標本の免疫染色を行い microvessel density(MVD)を計測した. 平均値(9.4 vessels/field)で高MVD群と低MVD群に分類し, pre-T/N, post-T/N, RRに関してt検定を行った. 【成績】高MVD群におけるRR(49.920±11.119)は低MVD群(25.250±14.110)と比較し有意に高値を示した(p=0.0114). 一方 pre-T/NとMVD, 或いは post-T/NとMVDに有意差は認められなかった(p=0.4350, p=0.4350). 【結論】口腔扁平上皮癌術前放射線治療施行例において腫瘍血管形成度が高いほど治療効果が高いことが分かった. 「質問」[昭和大・歯・口外 南雲正男] 1.線源は何を使われましたか. 2. 抄録の結論とスライドの結果が異なりませんか. 3. 放射線治療結果とMVDが相関する理由は. 「応答」[東京医歯大・顎口外 鈴木亜矢] 1. そこまでは調べていません. 2. 異なりません. 3. 今後新しい実験系を考え考察していきたいと思います. MVDが多いほど blood supplyがよいことがその原因と思われます. T/NとMVDの有意差がなくても治療前後で比較したことにより差が大きくなり有意差がでたことが考えられます.
ISSN:0915-5988