B-33. 超音波診断法を用いた口腔扁平上皮癌患者の頸部リンパ節転移の評価

口腔扁平上皮癌による頸部リンパ節転移をできるだけ早期に発見し, また正確に診断するために, CT, MRI, 超音波診断法(US)などの各種の画像診断法が用いられている. CT・MRIは頸部の全体像の把握には優れているが, 小さなリンパ節の精査が困難なことが欠点として挙げられる. USは空間分解能が高く, 比較的小さなリンパ節においても詳細な情報を得ることができ, また繰り返して撮影が可能な点で優れている. 今回我々は, CTとUSによる術前評価と郭清した頸部リンパ節の摘出病理標本を比較し, CT, USによるリンパ節転移の Sensitivity, Specificityについて検討した....

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Published in日本口腔腫瘍学会誌 Vol. 17; no. 3; p. 167
Main Authors 岡田成生, 松本浩一, 星健太郎, 野口忠秀, 小佐野仁志, 谷口信行, 草間幹夫, 鈴木亜矢, 石井純一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本口腔腫瘍学会 2005
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Summary:口腔扁平上皮癌による頸部リンパ節転移をできるだけ早期に発見し, また正確に診断するために, CT, MRI, 超音波診断法(US)などの各種の画像診断法が用いられている. CT・MRIは頸部の全体像の把握には優れているが, 小さなリンパ節の精査が困難なことが欠点として挙げられる. USは空間分解能が高く, 比較的小さなリンパ節においても詳細な情報を得ることができ, また繰り返して撮影が可能な点で優れている. 今回我々は, CTとUSによる術前評価と郭清した頸部リンパ節の摘出病理標本を比較し, CT, USによるリンパ節転移の Sensitivity, Specificityについて検討した. 対象は2002年1月~2004年10月に, CTとUSによる術前評価を行った口腔扁平上皮癌患者のうち頸部郭清術を施行し, 病理検索が可能であった38例とした. CTでは大きさと内部変化, USではBモードによる形状, 大きさ, 内部エコーの変化, リンパ門の有無について比較検討を行い, その結果, 若干の知見を得たので報告する. 「質問」[東京医歯大・顎口外 鈴木亜矢]文献のsensitivityの最低値と比較してはるかに高い値を得られたようですが, 最低値が低かった理由は何ですか. 「応答」[自治医大・歯口外 岡田成生]考察において検索した文献結果でSensitivity, Specificityに幅があったのは昔の文献が含まれているのに加えて, 対象がリンパ節の結果の文献を転移の有無しか言及していない文献が含まれているので数値に幅がありました. 「質問」[東京医歯大・顎顔面外科 石井純一] USの診断基準で大きさの記載がありませんがどうでしょうか. 「応答」自治医大・歯口外 岡山成生]転移リンパ節の診断基準でUSに大きさの基準がないのは, 形態, 内部エコー, hilusで診断しているためです. また大きさも考慮して診断しています.
ISSN:0915-5988