B-25. 頭頸部癌におけるFDG-PETの検討

頭頸部癌の治療において, 原発巣の進展範囲の確定や頸部リンパ節転移の検出は重要な課題であり, そのためにCT, MRI, USなどの検査が用いられている. しかし口腔補綴物によるアーチファクトにより影響を受けることが少なくない. FDG-PETは癌細胞における糖代謝の亢進を描出し, その性状をよく反映し病巣の検出に威力を発揮する. またCT, MRIとのfusion画像を構成することにより, より精度の高い診断方法となる. 今回われわれは, 頭頸部原発扁平上皮癌1次症例15例にFDC-PETを使用し, 原発巣および頸部リンパ節転移, 遠隔転移などの検索を行い, 集積部位とSUV値を測定し検討を...

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Published in日本口腔腫瘍学会誌 Vol. 17; no. 3; pp. 163 - 164
Main Authors 李進彰, 石田佳毅, 中川直美, 柚鳥宏和, 小林正樹, 古森孝英, 八木原一博, 鈴木亜矢
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本口腔腫瘍学会 2005
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Summary:頭頸部癌の治療において, 原発巣の進展範囲の確定や頸部リンパ節転移の検出は重要な課題であり, そのためにCT, MRI, USなどの検査が用いられている. しかし口腔補綴物によるアーチファクトにより影響を受けることが少なくない. FDG-PETは癌細胞における糖代謝の亢進を描出し, その性状をよく反映し病巣の検出に威力を発揮する. またCT, MRIとのfusion画像を構成することにより, より精度の高い診断方法となる. 今回われわれは, 頭頸部原発扁平上皮癌1次症例15例にFDC-PETを使用し, 原発巣および頸部リンパ節転移, 遠隔転移などの検索を行い, 集積部位とSUV値を測定し検討を行い, 以下の結果を得た. 1. 原発, 巣におけるsensitivityは15例中13例(86.7%)であった. 2. 頸部リンパ節では, 4例に集積を認めたが, 組織学的に転移を認めたのは2例であり, また false negativeの症例が1例あった. 3. 分化度において高分化型に比べて, 中等度分化型においてSUV値が高い傾向を示した. またTサイズが大きくなるにつれ, SUV値は大きくなる傾向を示した. 4. unknown primaryの原発巣の検出や二重癌, 三重癌の検出に威力を発揮した. 以上のことより頭頸部癌におけるFDG-PETの有用性が示唆された. 「質問」[埼玉がんセンター 八木原一博] PET検査の間隔はどのようにしていますか. 「応答」[神鋼加古川病院 李進彰] PET撮影の期間が短かいのは, 術後頸部リンパ節後発転移確認のため, CTを1ヶ月毎に撮影しておりCT上でLNの転移が不明であったため, PET撮影の期間が短くなった. 「質問」[東京医歯大・顎口外 鈴木亜矢]症例4の201Tl scintigraphyを撮像時にSpectを作成して診断はしませんでしたか. 「応答」[神鋼加古川病院 李進彰]タリウムシンチ, スペクト像は撮影していない.
ISSN:0915-5988