B-24. 頸部リンパ節転移に対するFDG-PETの有用性の検討

FDG-PET検査は, 腫瘍細胞を検出する機能的な画像診断法であり, 近年, 頭頸部領域でも臨床的に応用されるようになってきている. 今回, われわれは頸部リンパ節転移に対するFDG-PET検査の有用性を検討したので報告した. 【目的】口腔癌頸部リンパ節転移に対するFDG-PET検査の診断精度および有用性を検討すること. 【対象】2003年6月~2004年9月までに頭頸部癌の診断にてFDG-PET検査を行い, 病理組織学的に頸部リンパ節転移の有無を確認できた12例. 【方法】FDG-PEA検査で, FDGの集積量を患者の体重とRI投与量で標準化した standardized uptake va...

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Published in日本口腔腫瘍学会誌 Vol. 17; no. 3; p. 163
Main Authors 中塚淳史, 成川純之助, 上原忍, 小池剛史, 小林啓一, 栗山浩, 倉科憲治, 上山吉哉, 鈴木亜矢
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本口腔腫瘍学会 2005
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Summary:FDG-PET検査は, 腫瘍細胞を検出する機能的な画像診断法であり, 近年, 頭頸部領域でも臨床的に応用されるようになってきている. 今回, われわれは頸部リンパ節転移に対するFDG-PET検査の有用性を検討したので報告した. 【目的】口腔癌頸部リンパ節転移に対するFDG-PET検査の診断精度および有用性を検討すること. 【対象】2003年6月~2004年9月までに頭頸部癌の診断にてFDG-PET検査を行い, 病理組織学的に頸部リンパ節転移の有無を確認できた12例. 【方法】FDG-PEA検査で, FDGの集積量を患者の体重とRI投与量で標準化した standardized uptake valueが6.5以上を転移ありとした. 実際の転移の有無は, 摘出したリンパ節の病理組織学的診断により行い, 両者を比較することでFDG-PET検査の精度を検討した. 尚, FDG-PEAにて1面1個のリンパ節の存在部位を明らかにするのは困難であり, レベルの特定が限界と考えられたため, レベル単位でリンパ節転移の有無について検討を行った. 今回, レベルの分類にはACHNSOを用いた. 【結果】FDG-PET検査で陽性を示し, 病理組織学的にも陽性であったのは4部位で, 真の陽性率, つまり感度は57.1%であった. また, FDG-PET検査で陰性を示し, 病理組織学的にも陰性であったのは33部位で真の陰性率, つまり特異度は89.2%であった. また精度は84.1%であった. FDG-PET検査で陽性と診断され, 病理組織診断で陰性と診断されたもの, つまりFDG-PET検査で偽陽性を示したものは44レベル中4部位であった. 逆にFDG-PET検査で陰性を示し, 病理組織診断で陽性と診断されたもの, つまりFDG-PET検査で偽陰性を示したものは44レベル中3部位であった. 「質問」[山口大・歯口外 上山吉哉]頸部リンパ節metaの有無の診断におけるPETとCT, MR, Echoとの比較は. 「応答」[信大・口外 中塚厚史]FDG-PET検査は悪性腫瘍の患者にルーティーンに行っている. 主たる目的は遠隔転移と重複癌の検索である. 今回頸部リンパ節に関して検討したが, 偽陽性の症例も今回症例を重ね, さらに検討していきたいと考えている. 「質問」[東京医歯大・顎口外 鈴木亜矢]FDG-PETを悪性腫瘍についてはルーチンに行っているとのことですが, 保険上は問題ないのですか. 「応答」[信大・口外 中塚厚史]長野県では頭頸部癌のstaging目的で保険適応になっている.
ISSN:0915-5988