3-5 HIV-1:エントリーインヒビターとスキン免疫

「I. はじめに」 私どもが試みている2つの新しいHIV-1感染防御の手法の開発, 一つはHIV-1が細胞内に侵入するのを防ぐ「エントリーインヒビター」の開発, もう一つは新しいタイプのDNAワクチンの開発について報告する. 「II. エントリーインヒビター」 HIV-1感染防御の手段として, ウイルスの逆転写酵素の阻害, HIV-1特異的プロテアーゼの阻害があるが, HIV-1 gp 120/CD4/ケモカイン受容体の感染複合体の形成阻害も, 第3の効果的且つ新しい手段であると考えられる. 最近, 炎症局所で活性化されたリンパ球の細胞膜がケモカイン受容体(コレセプター)を含んだまま微小粒子と...

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Published in日本臨床免疫学会会誌 Vol. 23; no. 6; pp. 592 - 596
Main Authors 杉村和久, 御手洗睦和, 新村靖彦, 橋口周平, 吉永圭介, 吉満正明, 伊東祐二, 中島秀喜, 吉崎和幸
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床免疫学会 2000
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Summary:「I. はじめに」 私どもが試みている2つの新しいHIV-1感染防御の手法の開発, 一つはHIV-1が細胞内に侵入するのを防ぐ「エントリーインヒビター」の開発, もう一つは新しいタイプのDNAワクチンの開発について報告する. 「II. エントリーインヒビター」 HIV-1感染防御の手段として, ウイルスの逆転写酵素の阻害, HIV-1特異的プロテアーゼの阻害があるが, HIV-1 gp 120/CD4/ケモカイン受容体の感染複合体の形成阻害も, 第3の効果的且つ新しい手段であると考えられる. 最近, 炎症局所で活性化されたリンパ球の細胞膜がケモカイン受容体(コレセプター)を含んだまま微小粒子として放出され, それを近傍の血管内皮系細胞が取り込むことにより, 本来は感染が成立しない組織への感染の成立も明らかになり1), このような「bystander infection」を阻止するうえでも, 強力なHIV-1のエントリーインヒビターの開発が重要であると考えられる.
ISSN:0911-4300
1349-7413