大腸腫瘍の内視鏡診断と表面構造

シンポジウム「大腸腫瘍の内視鏡診断と表面構造」の司会を藤盛と藤井が担当した. 近年, 大腸腫瘍に対する診断学は通常観察から, 拡大観察による微細な表面構造を捉え, いわば組織診断に近づいた診断学が展開されてきている. 今回のテーマは, まさに内視鏡診断の進歩に即したテーマであり, 大腸腫瘍の診断のなかでも最近注目されてきているserrated adenoma(以下SAとする)に焦点をあてての発表・討議が行われた. SAについては, 診断・研究面において興味を引くところではあるが, 実際の臨床面において, 本病変の診断・治療が大腸癌の早期発見として重要視される病変であるのか?または, 過形成性ポ...

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Published inProgress of Digestive Endoscopy Vol. 57; no. 2; p. 14
Main Authors 藤盛孝博, 藤井隆広
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本消化器内視鏡学会関東支部会 2000
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Summary:シンポジウム「大腸腫瘍の内視鏡診断と表面構造」の司会を藤盛と藤井が担当した. 近年, 大腸腫瘍に対する診断学は通常観察から, 拡大観察による微細な表面構造を捉え, いわば組織診断に近づいた診断学が展開されてきている. 今回のテーマは, まさに内視鏡診断の進歩に即したテーマであり, 大腸腫瘍の診断のなかでも最近注目されてきているserrated adenoma(以下SAとする)に焦点をあてての発表・討議が行われた. SAについては, 診断・研究面において興味を引くところではあるが, 実際の臨床面において, 本病変の診断・治療が大腸癌の早期発見として重要視される病変であるのか?または, 過形成性ポリープとの異同などから果たして本病変を腫瘍として良い病変であるのか?さらには, 本病変の由来・発育進展など様々な疑問点が挙げられる. SAには過形成性ポリープに類似する形態(以下SHとする)と絨毛状腫瘍に類似する形態(以下SVとする)の二型が存在する.
ISSN:0389-9403
0389-9403