52. 早期血中トラフを達成し得た潰瘍性大腸炎の2例

「はじめに」2006年より潰瘍性大腸炎に対して医薬品の適応承認を受けたタクロリムス(TAC)は, 寛解導入に際し目標血中トラフ値に達する必要がある. 今回, 速やかにトラフ値を達成し得た2例について報告する. 「症例」【症例1】患者: 48歳, 男性. 主訴: 下痢. 既往歴・家族歴: 特記事項なし. 現病歴: 20歳頃より軟便を自覚していた. 入院10ヵ月前に, 1日10行程度の水溶性下痢を自覚し当科を受診, 大腸鏡検査で全結腸炎型の潰瘍性大腸炎(UC)と診断した. メサラジン(アサコール(R))3.6g/日投与により一時軽快したが, その後下痢の回数が増大したため入院した. 現症: 体温3...

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Published inProgress of Digestive Endoscopy(2001年から) Vol. 84; no. 1; pp. 154 - 156
Main Authors 芦谷啓吾, 米野和明, 山岡稔, 筋野智久, 大庫秀樹, 菅野龍, 野口哲, 小林威仁, 有馬博, 木下俊介, 飯田慎一郎, 井上清彰, 山本啓二, 中元秀友, 今枝博之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本消化器内視鏡学会関東支部会 14.06.2014
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Summary:「はじめに」2006年より潰瘍性大腸炎に対して医薬品の適応承認を受けたタクロリムス(TAC)は, 寛解導入に際し目標血中トラフ値に達する必要がある. 今回, 速やかにトラフ値を達成し得た2例について報告する. 「症例」【症例1】患者: 48歳, 男性. 主訴: 下痢. 既往歴・家族歴: 特記事項なし. 現病歴: 20歳頃より軟便を自覚していた. 入院10ヵ月前に, 1日10行程度の水溶性下痢を自覚し当科を受診, 大腸鏡検査で全結腸炎型の潰瘍性大腸炎(UC)と診断した. メサラジン(アサコール(R))3.6g/日投与により一時軽快したが, その後下痢の回数が増大したため入院した. 現症: 体温36.5℃, 腹部は平坦かつ軟, 左下腹部に圧痛あり. 入院時血液検査: WBC 12,970/μl, Neut 84.5%, CRP 2.43mg/dl. 経過: 大腸内視鏡検査で, Mayoスコア2相当の血管透見の消失, 易出血性, びらんを認めた.
ISSN:1348-9844