32. 十二指腸憩室出血の1例

「はじめに」十二指腸憩室は年齢とともに発症率が高くなることが知られているが, 十二指腸憩室からの出血は比較的稀とされており, 消化管出血の一般的な診断アルゴリズムでは盲点になりやすい疾患である. 今回我々は, 上・下部内視鏡検査では診断がつかず, CT enterography (CTE)と小腸内視鏡が有用だった十二指腸憩室出血の1例を経験したため, 文献的考察も含めて報告する. 「症例」患者: 63歳, 男性. 主訴: 心窩部痛, 吐血, タール便. 既往症: 糖尿病, 高血圧のため加療中. 現病歴: 入院前日までは特に症状はなく, 食事も十分摂取できており, 排便にも異常はなかった. 深夜...

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Published inProgress of Digestive Endoscopy(2001年から) Vol. 84; no. 1; pp. 114 - 116
Main Authors 菊地秀昌, 山田哲弘, 竹内健, 新井典岳, 岩佐亮太, 古川竜一, 曽野浩治, 長村愛作, 中村健太郎, 青木博, 吉松安嗣, 津田裕紀子, 高田伸夫, 笹井大督, 蛭田啓之, 鈴木康夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本消化器内視鏡学会関東支部会 14.06.2014
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Summary:「はじめに」十二指腸憩室は年齢とともに発症率が高くなることが知られているが, 十二指腸憩室からの出血は比較的稀とされており, 消化管出血の一般的な診断アルゴリズムでは盲点になりやすい疾患である. 今回我々は, 上・下部内視鏡検査では診断がつかず, CT enterography (CTE)と小腸内視鏡が有用だった十二指腸憩室出血の1例を経験したため, 文献的考察も含めて報告する. 「症例」患者: 63歳, 男性. 主訴: 心窩部痛, 吐血, タール便. 既往症: 糖尿病, 高血圧のため加療中. 現病歴: 入院前日までは特に症状はなく, 食事も十分摂取できており, 排便にも異常はなかった. 深夜に突然, 心窩部痛に続いて吐下血を来したため, 当院に救急搬送された. 身体所見: 意識清明, 眼瞼結膜貧血, 血圧125/80mmHg, 脈拍99回/分, 腹部は平坦かつ軟で, 自発痛・圧痛を認めない.
ISSN:1348-9844