2. 直接胆石溶解療法

「はじめに」多岐にわたる胆嚢結石の治療法の一つとして登場した, 直接溶解療法は溶媒を胆石が存在する場所, つまり胆嚢中に充満させる必要があり, その注入通路としてドレナージチューブを使う必要があるという煩雑さを伴う反面, コレステロール結石に対しては96%の胆石消失率が得られ, 経口溶解療法や体外衝繋波破砕療法に比べて比較にならぬ好成績が得られる. 教室では12例の患者に対して11例の胆石完全消失例がみられたので, その適応基準, 症例の一部の紹介, 本法の問題点や本法の将来について, われわれの考え方について述べる. 「適応基準」本法における溶媒(溶解剤)として, MTBE(Methyl-t...

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Published in胆道 Vol. 7; no. 1; pp. 25 - 26
Main Author 梶山梧朗
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本胆道学会 1993
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ISSN0914-0077

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Summary:「はじめに」多岐にわたる胆嚢結石の治療法の一つとして登場した, 直接溶解療法は溶媒を胆石が存在する場所, つまり胆嚢中に充満させる必要があり, その注入通路としてドレナージチューブを使う必要があるという煩雑さを伴う反面, コレステロール結石に対しては96%の胆石消失率が得られ, 経口溶解療法や体外衝繋波破砕療法に比べて比較にならぬ好成績が得られる. 教室では12例の患者に対して11例の胆石完全消失例がみられたので, その適応基準, 症例の一部の紹介, 本法の問題点や本法の将来について, われわれの考え方について述べる. 「適応基準」本法における溶媒(溶解剤)として, MTBE(Methyl-tert butyl ether)を中心に用いてきたので, コレステロール結石(純コレステロール結と混合石)が対象となっていることは当然である. 本法のために胆嚢ドレナージを造設することには問題や抵抗もあるが, 他の目的ですでにドレナージが行われているような場合には, これを利用し本法を実施する価値はある(表1).
ISSN:0914-0077