7. I.T.I. インプラントの上顎無歯顎への応用について

「I. 目的」 無歯顎症例へインプラントを応用すると, 数本のインプラントで義歯の維持・安定性は増大する. われわれは, 本学会において, 過去2回, 下顎無歯顎に対するインプラント応用について報告したが, 今回, 上顎無歯顎にインプラントを応用し, 固定性補綴物で咬合を改復した症例を報告する. 「II. 方法」 患者は初診時54才女性で, 上顎に4歯残存するも保存不可能な状態であった. 残存歯の抜歯後, トリートメント・デンチャーを作製してから65431┴13456部にI.T.I. インプラントを10本, 3回に分けて埋入した. 骨結合獲得までの免荷期間はトリートメントデンチャーに弾性裏装材...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本補綴歯科学会雑誌 Vol. 49; no. 2; p. 344
Main Authors 蒔田眞人, 山口大輔, 村岡良介, 平賀良文, 清水剛, 蒔田信子, 藤原康功
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本補綴歯科学会 2005
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:「I. 目的」 無歯顎症例へインプラントを応用すると, 数本のインプラントで義歯の維持・安定性は増大する. われわれは, 本学会において, 過去2回, 下顎無歯顎に対するインプラント応用について報告したが, 今回, 上顎無歯顎にインプラントを応用し, 固定性補綴物で咬合を改復した症例を報告する. 「II. 方法」 患者は初診時54才女性で, 上顎に4歯残存するも保存不可能な状態であった. 残存歯の抜歯後, トリートメント・デンチャーを作製してから65431┴13456部にI.T.I. インプラントを10本, 3回に分けて埋入した. 骨結合獲得までの免荷期間はトリートメントデンチャーに弾性裏装材を応用して咬合させた. 2次手術後, アバットメントして, テンポラリー・レストレーションで最終補綴物の形態と咬合状態を決定後, 3~┴3を先に印象, 補綴物を作製し, 次に左右臼歯部を印象, 作製した後, 全顎のリマウントを行って最終調整を行った. 「III. 結果と考察」 可撤性捕綴物から, 固定性に変わったため, 咬合の改復や安定性に患者は大きな満足感を得た. 無歯顎にインプラントを行う場合, 手術後の免荷期間の咬合に対する対策をこうじないと社会的生活や食生活に支障をきたすこととなるのでトリートメントデンチャーの作製とその管理・調整は大事な要件と考える. また, 必ずテンポラリー・レストレーーションで, 最終的な補綴物の位置・形態をシュミレーションし, 患者の了解を得てから作製することが大事と思われた. また. 患者のプラークコントロールはデンチャーの時と比べてはるかに重要な意味を持つこととなる.
ISSN:0389-5386