18. CMキチン―ハイドロキシアパタイト顆粒複合体の抜歯窩創傷治癒に与える影響

「I. 目的」抜歯窩の創傷治癒の促進とドライソケットの防止を目的として, 生体に安全で親和性と吸収性が高いカルボキシメチルキチン(以下, CMキチン)スポンジと, 歯槽骨の吸収の防止を目的とした新生骨形成誘導能があるハイドロキシアパタイト顆粒を均等に配置した複合材を作製した. 今回, この複合材を用いて動物実験を行い, 生体安全性と抜歯窩創傷治癒促進について観察した. 1,2) 「II. 方法」実験動物は, ビーグル犬(成犬, 体重約11kg)4頭を用いた. これを2群に分けて, 実験群の2頭の上下顎小臼歯部を抜歯し, 計24個の複合材を埋入した. また対照群の2頭は同封の抜歯のみを行った....

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Published in日本補綴歯科学会雑誌 Vol. 48; no. 3; p. 494
Main Authors 大橋芳夫, 川本章代, 井上太郎, 樋口裕一, 岡崎定司, 小正裕, 池宏海, 戸田伊紀, 竹村明道, 諏訪文彦, 吉原雄祐, 増田真吾
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本補綴歯科学会 2004
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Summary:「I. 目的」抜歯窩の創傷治癒の促進とドライソケットの防止を目的として, 生体に安全で親和性と吸収性が高いカルボキシメチルキチン(以下, CMキチン)スポンジと, 歯槽骨の吸収の防止を目的とした新生骨形成誘導能があるハイドロキシアパタイト顆粒を均等に配置した複合材を作製した. 今回, この複合材を用いて動物実験を行い, 生体安全性と抜歯窩創傷治癒促進について観察した. 1,2) 「II. 方法」実験動物は, ビーグル犬(成犬, 体重約11kg)4頭を用いた. これを2群に分けて, 実験群の2頭の上下顎小臼歯部を抜歯し, 計24個の複合材を埋入した. また対照群の2頭は同封の抜歯のみを行った. 実験4週後, 麻酔薬過剰投与による安楽死を行い, 血管鋳型標本を作製後, SEM観察を行った. また, 実験飼育中各頭とも1週おきに採血を行い, 生化学的データを得た. 「III. 結果と考察」SEM観察により実験群の抜歯窩では, 対照群より多くの新生骨が見られた. 生化学的データから両群ともほとんど差がなく, CMキチン埋入による生体への影響は見られなかった. 「IV. 参考文献」1)前田睦浩, 井上幸雄, 金子和夫ほか. CMキチン-HAP顆粒複合体の骨・軟骨面骨-軟骨修復への影響, 日本臨床バイオメカニクス誌22:17-22, 2001. 2)戸田伊紀, 北山展弘, 杉原富人ほか. 抜歯窩治癒過程におけるα-TCPコラーゲン・スポンジの効果, 生体材料 14:112-116, 1996.
ISSN:0389-5386