8. 徳島大学歯学部附属病院外来患者などを対象とした顎機能に関するアンケート調査
「I. 目的」顎関節や咀嚼筋の疼痛, 関節雑音, 開口障害などの症状は, 顎関節症を主訴としない一般歯科患者においても認められることがある. また同様に顎関節症のリスクファクターと言われている歯ぎしりなどの習癖, 咬合異常などが顎関節症患者以外において観察されることも稀ではない. 本研究の目的は, 歯科患者や学生を対象としたアンケートにより, 顎関節症の各症状とこれに関連する因子の自覚について, その実態を調査することにある. 「II. 方法」調査対象は徳島大学歯学部附属病院の外来受診患者149名, 第二補綴科顎関節外来受診患者466名, 及び歯学部学生107名である. アンケートには第二補綴...
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Published in | 日本補綴歯科学会雑誌 Vol. 47; no. 5; p. 903 |
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Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本補綴歯科学会
2003
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Summary: | 「I. 目的」顎関節や咀嚼筋の疼痛, 関節雑音, 開口障害などの症状は, 顎関節症を主訴としない一般歯科患者においても認められることがある. また同様に顎関節症のリスクファクターと言われている歯ぎしりなどの習癖, 咬合異常などが顎関節症患者以外において観察されることも稀ではない. 本研究の目的は, 歯科患者や学生を対象としたアンケートにより, 顎関節症の各症状とこれに関連する因子の自覚について, その実態を調査することにある. 「II. 方法」調査対象は徳島大学歯学部附属病院の外来受診患者149名, 第二補綴科顎関節外来受診患者466名, 及び歯学部学生107名である. アンケートには第二補綴科顎関節外来で問診表として使用していた顎機能質問表を用いた. 「III. 結果及び考察」顎関節雑音, 開口障害, 開口時疼痛の内のいずれかの症状の自覚は, 顎関節外来受診患者では96.1%において認められたが, 一般外来患者においても38.9%, 歯学部学生では43.0%と比較的高い頻度で認められた. また一般外来患者と歯学部学生の両者と, 顎関節外来受診患者群の間で比較を行うと, 顎関節症患者に観察されることの多い随伴症状, 既往歴, 習癖, ストレスなどに対する自覚について大きな差を認めなかった. またこの傾向は高年齢群において特に顕著であった. 本研究の結果は顎関節症のリスクファクターとされる因子が, その自覚という点においては一般歯科患者や, 歯学部学生のそれと大きな差が無いことを示している. |
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ISSN: | 0389-5386 |