6. マウスフォームドタイプ・スリープスプリントの臨床的評価―製作法と治療効果の検討
「I. 目的」閉塞型睡眠時無呼吸症候群(OSAS)患者に対する保存的療法の1つとしてスリープスプリントが広く応用されているが, スプリント装着前後における症状の変化について詳細に検討した報告は少ない. 今回, 市販のマウスフォームドタイプ・スリープスプリント(SS)について, その製作法について検討するとともに, OSAS患者に対してSS装着前後の終夜睡眠ポリグラフィー(PSG)による夜間睡眠検査を施行し, 術前術後の症状の変化について比較検討したので報告する. 「II. 方法」SSとしては, Distar社製Thera Snore(R)を使用した. SSの製作は間接法により行い, 装着時の顎...
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Published in | 日本補綴歯科学会雑誌 Vol. 45; no. 6; p. 785 |
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Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本補綴歯科学会
2001
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Summary: | 「I. 目的」閉塞型睡眠時無呼吸症候群(OSAS)患者に対する保存的療法の1つとしてスリープスプリントが広く応用されているが, スプリント装着前後における症状の変化について詳細に検討した報告は少ない. 今回, 市販のマウスフォームドタイプ・スリープスプリント(SS)について, その製作法について検討するとともに, OSAS患者に対してSS装着前後の終夜睡眠ポリグラフィー(PSG)による夜間睡眠検査を施行し, 術前術後の症状の変化について比較検討したので報告する. 「II. 方法」SSとしては, Distar社製Thera Snore(R)を使用した. SSの製作は間接法により行い, 装着時の顎位は咬頭嵌合位から下顎最前方位までの距離の75%前方位で, 開口距離は上下切歯間で10mmとした. SS装着後のPSGは, 装着に慣れた時期(装着後1w~2w)に行った. 装着前後で比較した項目は, PSGのうち無呼吸指数, 無呼吸―低呼吸指数, 最低酸素飽和度, 中途覚醒指数の4項目, およびEpworth Sleepiness Scaleである. 「III. 結果と考察」SSは本来直接法で製作するよう指示されているが, 軟化圧接による火傷の防止および適合性の面から, 間接法による製作の方が優れていると思われる. また, 装着前後における各データを比較検討したところ, SS装着により無呼吸指数, 無呼吸―低呼吸指数, 中途覚醒指数, 日中傾眠の減少, および最低酸素飽和度の上昇が生じることを示しており, OSA患者に対するSSによる治療の有効性が示唆された. 今後症例数を増やし詳細に検討する予定である. |
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ISSN: | 0389-5386 |