3. 神奈川県成人歯科保健実態調査について~補綴の状況と噛み心地の関連
「I. 目的」成人歯科保健の向上を図るため, 神奈川県における成人の歯科保健の状況を把握し, 今後の歯科保健対策の推進に必要な基礎資料を得ることを目的とした. 「II. 方法」「(1)調査期間」平成8年1月16日~2月16日および平成8年7月1日~7月31日の2回に分けて調査した. 「(2)調査対象」神奈川県歯科医師会会員の診療所に来訪した県内在住の20歳以上の初診患者. 「(3)主な調査事項」現在歯の状況, 喪失歯および補綴の状況, 歯肉および歯石の状況, 歯頸部の状況などの口腔診査と歯科保健に関する意識の状況(歯科保健アンケート)を調査した. 「III. 結果と考察」有効被調査者数は566...
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Published in | 日本補綴歯科学会雑誌 Vol. 45; no. 4; p. 539 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本補綴歯科学会
2001
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Summary: | 「I. 目的」成人歯科保健の向上を図るため, 神奈川県における成人の歯科保健の状況を把握し, 今後の歯科保健対策の推進に必要な基礎資料を得ることを目的とした. 「II. 方法」「(1)調査期間」平成8年1月16日~2月16日および平成8年7月1日~7月31日の2回に分けて調査した. 「(2)調査対象」神奈川県歯科医師会会員の診療所に来訪した県内在住の20歳以上の初診患者. 「(3)主な調査事項」現在歯の状況, 喪失歯および補綴の状況, 歯肉および歯石の状況, 歯頸部の状況などの口腔診査と歯科保健に関する意識の状況(歯科保健アンケート)を調査した. 「III. 結果と考察」有効被調査者数は5660名であった. 現在歯数は30から34歳までで平均27.8本, 80から84歳までで11.8本であり, 平成5年厚生省調査のそれぞれ27.5本, 5.1本より多かった. また, 20本以上の歯を有する人の割合は本調査では40から44歳までで93.9%, 80から84歳までで27.0%であり, 厚生省調査の92.9%, 8.9%より高かった. このことから, 神奈川県民の歯科保健の状況は全国と比較して良好であると思われた. アンケート調査の結果, 噛みにくい物があるものの割合は, 年齢とともに増加した. これは, 年齢とともに現在歯数が減少するためと考えられた. 噛むことに関する満足感と補綴処置の状況および現在歯数との関連を調査すると, 噛むことに対する満足感に補綴処置が貢献できることが改めて示唆された. 同時に, より大きな満足感を得るためには, 歯の喪失を防止する必要があることも示唆された. |
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ISSN: | 0389-5386 |