十二指腸潰瘍穿孔に対する大網充填術後の肝動脈瘤の1例
「要約」十二指腸潰瘍穿孔に対する大網充填術の20年後に発生した肝動脈瘤という非常にまれな症例を報告する. 症例は, 51歳, 男性. 2008年, 人間ドックの腹部超音波検査で無症状の右肝動脈瘤(サイズが13mm)が発見された. 精査受診を勧めたが放置し, 1年後の人間ドックを再受診した. サイズに変化なく, 本人の希望もあり1年毎の経過観察の方針がとられた. その後の瘤のサイズは緩徐に増大し, 6年後に21×20mmになった. 治療の勧めに同意し血管内治療が施行された. 2年後の再発はみられていない. 国内外の文献検索では, 十二指腸潰瘍穿孔に対する大網充填術後の肝動脈瘤症例の報告はみられな...
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Published in | 人間ドック Vol. 31; no. 5; pp. 723 - 729 |
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Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本人間ドック学会
2016
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Summary: | 「要約」十二指腸潰瘍穿孔に対する大網充填術の20年後に発生した肝動脈瘤という非常にまれな症例を報告する. 症例は, 51歳, 男性. 2008年, 人間ドックの腹部超音波検査で無症状の右肝動脈瘤(サイズが13mm)が発見された. 精査受診を勧めたが放置し, 1年後の人間ドックを再受診した. サイズに変化なく, 本人の希望もあり1年毎の経過観察の方針がとられた. その後の瘤のサイズは緩徐に増大し, 6年後に21×20mmになった. 治療の勧めに同意し血管内治療が施行された. 2年後の再発はみられていない. 国内外の文献検索では, 十二指腸潰瘍穿孔に対する大網充填術後の肝動脈瘤症例の報告はみられなかった. このような症例における, 瘤の自然経過や治療方針に関して興味ある症例と思われた. 「緒言」肝動脈瘤の最初の報告は, 1819年Wilsonらによるといわれている. 本邦においては, 1962年畠山らが最初で, その後, 平山らが45例(1986年), 宇野らが96例(1994年)を集計しているがまれな疾患である. |
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ISSN: | 1880-1021 |