258. 人間ドック受診頻度と生活習慣及び生活習慣病, 悪性腫瘍との関連についての検討

目的:人間ドックを定期的に受診することは生活習慣病予防と疾病早期発見に寄与している. また受診頻度が高い者ほど健康への意識が高い可能性がある. これらを踏まえ, 人間ドック受診頻度と生活習慣および生活習慣病, 癌発見率との関連について検討した. 方法:平成12年の当センター人間ドック受診者10,310名から, 過去4年間未受診または1度のみの受診であった低頻度受診群(低頻度群)とほぼ毎年受診している高頻度受診群(高頻度群)を対象とし, 喫煙有無, 飲酒有無をカイ二乗検定にて検討した. また生活習慣病関連検査結果(脂質, 血糖, 肝機能, 血圧, 肥満)を所見ランクから正常, 有所見に分け, 低...

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Published in健康医学 Vol. 16; no. 4; p. 572
Main Authors 竹原好美, 奥田友子, 森口次郎, 堀家茂美, 清水眞寿美, 澤田典子, 竹澤龍一, 田中健一, 宮崎忠芳, 池田正之, 山田親久
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本人間ドック学会 2002
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Summary:目的:人間ドックを定期的に受診することは生活習慣病予防と疾病早期発見に寄与している. また受診頻度が高い者ほど健康への意識が高い可能性がある. これらを踏まえ, 人間ドック受診頻度と生活習慣および生活習慣病, 癌発見率との関連について検討した. 方法:平成12年の当センター人間ドック受診者10,310名から, 過去4年間未受診または1度のみの受診であった低頻度受診群(低頻度群)とほぼ毎年受診している高頻度受診群(高頻度群)を対象とし, 喫煙有無, 飲酒有無をカイ二乗検定にて検討した. また生活習慣病関連検査結果(脂質, 血糖, 肝機能, 血圧, 肥満)を所見ランクから正常, 有所見に分け, 低頻度群と高頻度群での所見有無についてカイ二乗検定を行った. 過去3年間に発見された悪性腫瘍(胃, 肺, 直腸)についても同様の検討を行った. 成績:生活習慣の検討では, 低頻度群と比較すると高頻度群は喫煙しない者が多かった(p<0.01)が, アルコール摂取有無には差がなかった. 生活習慣病所見の有無の検討では, 低頻度受診群は高頻度受診群より中性脂肪, 肥満の有所見者が多かった(p<0.01). また悪性腫瘍発見数と受診頻度の間では, 胃癌で受診頻度が高い程, 発見数が多い傾向を認めた. まとめ:今回の検討では, 受診頻度が低い者で喫煙者が多く, 肥満, 中性脂肪などの有所見者が多かったことから, 人間ドックを定期的に受診していない者は健康への意識が低く, 種々の健康障害を合併しやすい可能性が示唆され, 悪性腫瘍発見におけるドック頻回受診の有用性が示された. 定期的人間ドック受診の啓蒙を行い, その場で有効な保健指導を行い, 行動変容を促すべきと考えられた.
ISSN:0914-0328