128. 人間ドック頻回入院者と未受診者の職場健康診断成績の比較検討 その2

「はじめに」:人間ドックにしばしば受診する者と全く受診しない者の職場健康診断結果を比較検討することにより人間ドックの意義を検討することを目的とした. 「対象と方法」:某企業職員で, 当院人間ドックに1987年~1996年の10年間に4回以上受診した者を頻回群とし, 一度も受診したことがない者で年齢をマッチングした群を未受診群とした. 男, 各135名(1998年で頻回群80名, 未受診群92名, 各群1名死亡)平均年齢52歳(1996年). 比較した年度は1987年と1998年で, 項目は健康診断結果, 飲酒, 喫煙, 塩分摂取などである. 「結果と考察」:頻回群は喫煙者が少なく, また20本...

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Published in健康医学 Vol. 16; no. 3; p. 372
Main Authors 山崎由利子, 相馬孝行, 須藤英一, 北村邦昭
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本人間ドック学会 2001
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Summary:「はじめに」:人間ドックにしばしば受診する者と全く受診しない者の職場健康診断結果を比較検討することにより人間ドックの意義を検討することを目的とした. 「対象と方法」:某企業職員で, 当院人間ドックに1987年~1996年の10年間に4回以上受診した者を頻回群とし, 一度も受診したことがない者で年齢をマッチングした群を未受診群とした. 男, 各135名(1998年で頻回群80名, 未受診群92名, 各群1名死亡)平均年齢52歳(1996年). 比較した年度は1987年と1998年で, 項目は健康診断結果, 飲酒, 喫煙, 塩分摂取などである. 「結果と考察」:頻回群は喫煙者が少なく, また20本以上吸う者の割合が減少していたが, 未受診群では反対に増加が認められた. 頻回群では飲酒習慣を持つ割合が高いが, 多量飲酒の割合は頻回群で減少が認められた. 血圧異常の割合は頻回群で少なく, 12年後も変化がみられなかったが, 未受診群では増加が認められた. 塩分を控えている割合は両群とも12年後では大幅な増加がみられ, 特に頻回群では増加が大きかった. 頻回群で尿酸値異常と糖代謝異常の割合が大きな増加を示していたが, 糖代謝異常の要治療群の割合は未受診群よりも少なかった. 肥満度の推移は, 頻回群で12年後の平均値の上昇は少なかった. 「まとめ」:人間ドックにしばしば受診する者と全く受診しない者の健康診断成績を比較検討した. 頻回群の特徴は, 1. 喫煙者は少なく, 経年的にヘビースモーカーが減少している. 2. 血圧はよくコントロールされている. 3. 塩分を控えている者が大幅に増加している. 4. 酒を飲む者は多いが毎日飲む者の割合は減少している. 5. 尿酸値異常者が増加している. 6. 糖代謝異常者は大きく増えているが, 重篤な者は少ない. 7. 未受診群に比べ, 体重のコントロールは良好である. 以上頻回に受ける人の健康行動の特性と人間ドック指導との関連が認められた.
ISSN:0914-0328