Reciprocity of Self-Lisclosure in Interviews:Modeling or Social Exchange? J.D.Davis and E.G.Skinner (Journal of Personality and Social Psychology, 1974, Vol.29, 779-784)

Jourard(1971)は, 二者の社会的相互作用場面において, 両者のうちの一方による自己暴露(self-disclosure)が相手に受け入れられて相手の自己暴露を誘発することを報告している. その後, この研究は面接による治療場面にも適用されてきたが, 相互性の概念については明確にされていない. 前述の現象を社会的相互作用理論の枠組みで解釈しようとする研究グループとモデリング理論で理解しようとするグループがあり, 理論的に対立している. モデリング理論の枠組みでは, 被面接者が自己の内部に秘めた問題を暴露しているモデルに遭遇した後に, 彼らの個人的な問題を打ち明けやすいという事実を脱制...

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Published in行動療法研究 Vol. 3; no. 2; p. 97
Main Author 山口正二
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本行動療法学会 1978
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Summary:Jourard(1971)は, 二者の社会的相互作用場面において, 両者のうちの一方による自己暴露(self-disclosure)が相手に受け入れられて相手の自己暴露を誘発することを報告している. その後, この研究は面接による治療場面にも適用されてきたが, 相互性の概念については明確にされていない. 前述の現象を社会的相互作用理論の枠組みで解釈しようとする研究グループとモデリング理論で理解しようとするグループがあり, 理論的に対立している. モデリング理論の枠組みでは, 被面接者が自己の内部に秘めた問題を暴露しているモデルに遭遇した後に, 彼らの個人的な問題を打ち明けやすいという事実を脱制止効果(Bandura, 1969)として把握しており, 他方, 社会的相互作用理論の立場では, 不確実性減少仮説(uncertainty-reduction hypothesis)を唱えてこの現象を説明している. そこで社会的相互作用仮説を検討するために, 面接者の立場での自己暴露の促進効果と被面接者の役割を演ずるモデルの立場での自己暴露の効果を比較することが必要である.
ISSN:0910-6529