拡散型圧力波の関節可動域改善効果に関する研究 - 第1報 : 超音波エコーを用いた評価

〔要旨〕本研究は, 健常成人20名20脚を対象に, 拡散型圧力波 (以下RPW : Radial pressure wave) の関節可動域に与える効果を組織間滑走性に着目し検討した. 結果, 足関節背屈可動域の増加, 筋形態 (羽状角の増加, 筋束長の延長) の有意な変化および筋膜周囲での筋硬度低下を認めた. 羽状角増加, 筋束長延長の筋形態変化と筋膜周囲での筋硬度低下は, 筋膜周囲での組織間滑走性の向上を示す. 筋膜周囲での組織間滑走性は, 関節可動域に影響を与えるとされており, RPWによる組織間滑走性の向上は, 関節可動域増加に貢献した可能性が考えられる. RPWによる筋膜周囲の組織間...

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Published in日本臨床スポーツ医学会誌 Vol. 30; no. 1; pp. 191 - 197
Main Authors 小林佑介, 佐竹勇人, 杉岡辰哉, 井上純爾, 澳昂佑, 河口泰之, 熊井司
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床スポーツ医学会 31.01.2022
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Summary:〔要旨〕本研究は, 健常成人20名20脚を対象に, 拡散型圧力波 (以下RPW : Radial pressure wave) の関節可動域に与える効果を組織間滑走性に着目し検討した. 結果, 足関節背屈可動域の増加, 筋形態 (羽状角の増加, 筋束長の延長) の有意な変化および筋膜周囲での筋硬度低下を認めた. 羽状角増加, 筋束長延長の筋形態変化と筋膜周囲での筋硬度低下は, 筋膜周囲での組織間滑走性の向上を示す. 筋膜周囲での組織間滑走性は, 関節可動域に影響を与えるとされており, RPWによる組織間滑走性の向上は, 関節可動域増加に貢献した可能性が考えられる. RPWによる筋膜周囲の組織間滑走性向上が関節可動域増加へ貢献している可能性が示唆された.
ISSN:1346-4159