虚血性心疾患診療のための負荷試験による心電情報の有用性に関する委員会

1. 緒言 運動負荷試験は, 虚血性心疾患が疑われる例, 心疾患を有する患者において疾患の診断, 疾患の重症度, 薬物療法の効果, 予後の判定などに広く用いられ, その有用性は確立されている. しかし, 経皮的冠動脈形成術後の再狭窄の診断における運動負荷心電図の役割についてはいまだ不明な点が多い. 一方, 運動負荷心電図の重要な指標であるST偏位と同様にQT dispersion(QTd)の分析が心筋虚血の診断に有用とする報告がある. 日本心電学会「虚血性心疾患診療のための負荷試験による心電情報の有用性に関する委員会」では, 経皮的冠動脈形成術後の再狭窄診断における運動負荷心電図より得られる心...

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Published in心電図 Vol. 23; no. 6; pp. 665 - 667
Main Authors 岸田浩, 児玉和久, 平山篤志, 田邉晃久, 齋藤穎, 川久保清, 李鍾大, 高瀬凡平, 西崎光弘, 草間芳樹, 小出靖
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本心電学会 2003
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Summary:1. 緒言 運動負荷試験は, 虚血性心疾患が疑われる例, 心疾患を有する患者において疾患の診断, 疾患の重症度, 薬物療法の効果, 予後の判定などに広く用いられ, その有用性は確立されている. しかし, 経皮的冠動脈形成術後の再狭窄の診断における運動負荷心電図の役割についてはいまだ不明な点が多い. 一方, 運動負荷心電図の重要な指標であるST偏位と同様にQT dispersion(QTd)の分析が心筋虚血の診断に有用とする報告がある. 日本心電学会「虚血性心疾患診療のための負荷試験による心電情報の有用性に関する委員会」では, 経皮的冠動脈形成術後の再狭窄診断における運動負荷心電図より得られる心電情報の有用性を検討するため, 複数施設から経皮的冠動脈形成術施行例を集積し分析を行った. 2. 症例の集積 委員の所属施設より経皮的冠動脈形成術を施行した虚血性心疾患例174例(男143例, 女31例. 年齢63±10歳)を後ろ向きに集積した.
ISSN:0285-1660