母趾基節骨疲労骨折の1例

【目的】比較的稀である母趾基節骨疲労骨折の1例を経験したので報告する. 【症例】中学バレーボール部に所属する14歳女性.【現病歴】スパイクシューズを替えた後から練習中に左母趾MTP関節に痛みが出現し近医を受診. 単純X線検査にて母趾基節骨に骨折を認めたことから, 練習中止と運動制限による3か月間の保存療法を施行. その後, 練習復帰するも1か月で疼痛増強し, 前医再診したところ単純X線検査で骨折部の再離開を認めたことから手術目的に当院を紹介受診した. 【経過】手術は骨折部の新鮮化後, φ2.0mmのC.C.S.(Striker社, 東京)で固定を行った. 後療法は, 術後1週間下腿~足関節のギ...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 69; no. 2; pp. 32 - 36
Main Authors 村松由崇, 北城梓, 柴田英哲, 田原慎太郎, 志波直人
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2020
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ISSN0037-1033

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Summary:【目的】比較的稀である母趾基節骨疲労骨折の1例を経験したので報告する. 【症例】中学バレーボール部に所属する14歳女性.【現病歴】スパイクシューズを替えた後から練習中に左母趾MTP関節に痛みが出現し近医を受診. 単純X線検査にて母趾基節骨に骨折を認めたことから, 練習中止と運動制限による3か月間の保存療法を施行. その後, 練習復帰するも1か月で疼痛増強し, 前医再診したところ単純X線検査で骨折部の再離開を認めたことから手術目的に当院を紹介受診した. 【経過】手術は骨折部の新鮮化後, φ2.0mmのC.C.S.(Striker社, 東京)で固定を行った. 後療法は, 術後1週間下腿~足関節のギプス固定とし, 術後3週以降より足底板装着下に疼痛自制内で荷重訓練を開始. 術後2か月でジョギング, 術後3か月のCT検査で骨癒合を確認し競技復帰を許可した. 【考察】母趾基節骨疲労骨折は, 症状が遷延する可能性があり慎重な経過観察が必要であると思われた.
ISSN:0037-1033