22 拘縮膝に対する人工膝関節置換術の検討
【目的】近年, 人工膝関節は比較的安定した術後成績が期待できる標準的な術式となったが, 著明な可動域制限を伴う症例では未だ問題点も少なくない. 今回我々は, 総可動域50°未満の拘縮膝に対する人工膝関節置換術について検討したので報告する. 【対象および方法】対象は, 男性1例1膝, 女性5例6膝で, 手術時年齢は平均75歳(60-83歳)であった. 原疾患は変形性膝関節症5例, 関節リウマチ1例であった. 使用機種はVanguard PS型5膝, PFCΣ PS型1膝, TRAC PS型1膝で, 全例セメント固定で行った. 膝伸展機構処置として, 脛骨粗面骨きりを1例2膝に, V-Y四頭筋延長...
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Published in | 整形外科と災害外科 Vol. 59; no. 4; p. 908 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
西日本整形・災害外科学会
2010
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Summary: | 【目的】近年, 人工膝関節は比較的安定した術後成績が期待できる標準的な術式となったが, 著明な可動域制限を伴う症例では未だ問題点も少なくない. 今回我々は, 総可動域50°未満の拘縮膝に対する人工膝関節置換術について検討したので報告する. 【対象および方法】対象は, 男性1例1膝, 女性5例6膝で, 手術時年齢は平均75歳(60-83歳)であった. 原疾患は変形性膝関節症5例, 関節リウマチ1例であった. 使用機種はVanguard PS型5膝, PFCΣ PS型1膝, TRAC PS型1膝で, 全例セメント固定で行った. 膝伸展機構処置として, 脛骨粗面骨きりを1例2膝に, V-Y四頭筋延長術を1膝に, Z延長術を2膝に行った. また, LCL再建術を1膝, MCL再建術を2膝, MCL advanceを1膝に追加した. 術後経過観察期間は平均49ヶ月(13-74ヶ月)であった. 【結果】FTAは術前平均191°(182°~205°)が術後平均175°(172°~180°)に改善した. 総可動域は術前平均28°(10~45°)が術後平均91°(20°~120°)となり, 伸展は術前平均-36°(-20°~-65°)が術後平均-3°(0~-10°), 屈曲は術前平均64°(40~90°)が術後平均94°(20~120°)に改善した. 術後合併症は, 脛骨粗面骨きりを行った1膝で移動骨片の骨折を生じ-10°のextension lagを生じたほか, 二次縫合術を1膝, 非観血的受動術を1膝に要した. また, V-Y四頭筋延長術を行った1例は骨化性筋炎を発症し術後総可動域は20°にとどまった. |
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ISSN: | 0037-1033 |