15 人工膝関節全置換術における深部静脈血栓症に対する超音波検査所見の検討
【はじめに】当院では人工関節置換術後の静脈血栓塞栓症(VTE)対策として, 術前後に超音波(エコー)検査による深部静脈血栓(DVT)のスクリーニングを行ってきた. 人工膝関節全置換術(TKA)に対して行ってきたエコー検査所見について検討したので報告する. 【対象・方法】2007年7月から2009年8月までにprimary TKAを行った511例554膝を対象とした. 両下肢のエコー検査を術前および術翌日の離床前に全例行い, 術後3日目と7日目のD-dimer値が10μg/dl以上の症例に対しては再度エコー検査を行った. 【結果】術前にDVT陽性だったのは56膝(10.1%)で, 反対側TKAの...
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Published in | 整形外科と災害外科 Vol. 59; no. 4; p. 906 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
西日本整形・災害外科学会
2010
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Summary: | 【はじめに】当院では人工関節置換術後の静脈血栓塞栓症(VTE)対策として, 術前後に超音波(エコー)検査による深部静脈血栓(DVT)のスクリーニングを行ってきた. 人工膝関節全置換術(TKA)に対して行ってきたエコー検査所見について検討したので報告する. 【対象・方法】2007年7月から2009年8月までにprimary TKAを行った511例554膝を対象とした. 両下肢のエコー検査を術前および術翌日の離床前に全例行い, 術後3日目と7日目のD-dimer値が10μg/dl以上の症例に対しては再度エコー検査を行った. 【結果】術前にDVT陽性だったのは56膝(10.1%)で, 反対側TKAの既往がある43例では8例(18.6%)にDVTを認めた. 術翌日は215膝(38.8%)にDVTを認め, うち64.2%は患側に発生し, 両側発生も15.8%に認めた. 発生部位は, 近位では大腿静脈・膝窩静脈にそれぞれ3膝ずつ発生し, 遠位に発生した212膝のうち79%がヒラメ静脈に発生していた. 全て無症候性のDVTで, 症候性肺血栓塞栓症の発生はなかった. |
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ISSN: | 0037-1033 |