2. 福岡市「妊婦歯科健診」事業の評価について(第一報)

【目的】福岡市では, 従来, 保健福祉センターで集団方式「妊婦歯科健診」事業を実施していたが, 健診環境や「かかりつけ歯科医」定着化等に課題があった, 平成18年度, 福岡市歯科医師会では「妊婦歯科健診」に関して医師会と連携体制を進め, 平成19年度からは, 市が歯科医師会に委託し, 個別方式での事業に改め開始した. 今回, 新たな事業形態について評価するため本研究を行った. 【方法】集団方式と個別方式との歯科健診結果(直近の各2年度分)の比較や, 個別方式導入前の「妊娠中の歯科健診」状況を把握するための, アンケート調査(平成21年2月期3歳児健診時, 妊娠期は平成17年度)を実施した. 【...

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Published in口腔衛生学会雑誌 Vol. 59; no. 5; p. 614
Main Authors 中山惠美子, 平塚正雄, 寺田壮平, 古賀勉, 藤崎文雄, 一番ヶ瀬透, 甲斐文一郎, 安元信也, 劉中憲, 中島文香, 中島慶, 田嶋靖文, 萩原聖雄, 池田正博, 橋本磨早彦, 久芳陽一, 山本達雄, 埴岡隆
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本口腔衛生学会 2009
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ISSN0023-2831

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Summary:【目的】福岡市では, 従来, 保健福祉センターで集団方式「妊婦歯科健診」事業を実施していたが, 健診環境や「かかりつけ歯科医」定着化等に課題があった, 平成18年度, 福岡市歯科医師会では「妊婦歯科健診」に関して医師会と連携体制を進め, 平成19年度からは, 市が歯科医師会に委託し, 個別方式での事業に改め開始した. 今回, 新たな事業形態について評価するため本研究を行った. 【方法】集団方式と個別方式との歯科健診結果(直近の各2年度分)の比較や, 個別方式導入前の「妊娠中の歯科健診」状況を把握するための, アンケート調査(平成21年2月期3歳児健診時, 妊娠期は平成17年度)を実施した. 【結果・まとめ】健診結果の比較では, 個別方式は集団方式に比べ, 未処置歯や歯周所見で検出率が高く, 妊娠中の歯科疾患の早期発見・早期治療につながることが示唆された. 一方, アンケート調査では, 個別方式導入前でも. 妊娠中の歯科健診受診率は45.2%とかなり高率で, 多くは歯科医院で受診していた(89.1%). また, 妊娠中に歯科健診を受診した場合, 子どもの予防のための歯科受診(初回受診の理由が, 健診やフッ素塗布)が有意に高率であった. 今後, 個別方式導入後の状況についても, 同様のアンケートを行い, さらに, 事業評価を行っていく予定である.
ISSN:0023-2831