6. 障がい者施設における歯科保健の向上のために 第2報:効果継続のための課題について

初回のスクリーニング評価では, 昨年とほぼ同じ程度の要指導・観察者数になった. 診査基準は昨年度とほぼ同様であることを考えると, 日常的管理に関わる施設職員が入れ替わることから職員の研修等の支援が必要と考えられたが, 施設において口腔清掃指導等の継続的な指導・評価を繰り返すことにより, かなりの改善をみることができた. しかし, 食物残渣や歯垢の付着については, 口腔清掃の継続により改善されたが, 歯肉の炎症の改善は限定的であり, 特に入所者の多様な障害により口腔清掃に抵抗がある場合等には改善は難しくなる. その結果, 最後まで要観察対象となったのは, 昨年度とほぼ同じ入所者であった. 今後の...

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Published in口腔衛生学会雑誌 Vol. 59; no. 3; p. 221
Main Authors 野崎正恵, 和田聖一, 森昭久
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本口腔衛生学会 2009
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ISSN0023-2831

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Summary:初回のスクリーニング評価では, 昨年とほぼ同じ程度の要指導・観察者数になった. 診査基準は昨年度とほぼ同様であることを考えると, 日常的管理に関わる施設職員が入れ替わることから職員の研修等の支援が必要と考えられたが, 施設において口腔清掃指導等の継続的な指導・評価を繰り返すことにより, かなりの改善をみることができた. しかし, 食物残渣や歯垢の付着については, 口腔清掃の継続により改善されたが, 歯肉の炎症の改善は限定的であり, 特に入所者の多様な障害により口腔清掃に抵抗がある場合等には改善は難しくなる. その結果, 最後まで要観察対象となったのは, 昨年度とほぼ同じ入所者であった. 今後の取り組みとして, 歯科医師会と連携し, 定期的な口腔管理の支援と指導を行い, 口腔管理の困難な入所者に対しては, 集中的な介入が有効と思われるので検討を行う. また, 施設の職員に対し, 早期に指導や研修を行うことを検討する.
ISSN:0023-2831