大分県における歯科保健施策について―地域保健法から医療制度改革まで

現在, 国が行っている医療制度改革により, 今年度から老人保健法は「高齢者の医療の確保に関する法律」に改正されました. これにより, これまで市町村を主体として実施されてきた生活習慣病対策は, 特定健康診査, 特定保健指導という形で, 医療保険者もその役割を担うこととなっております. 歯周疾患検診等の保健事業も老人保健法から, 健康増進法のもとに行われるなど, 歯科を取り巻く環境も大きく変化しております. 県では, すべての人が歯と口腔の健康を保ち, 健康寿命を延ばして豊かな生活ができるよう, 生涯にわたる歯と口腔の健康保持・増進および8020の実現を目指してさまざまな施策を展開していますが,...

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Published in口腔衛生学会雑誌 Vol. 58; no. 5; pp. 564 - 565
Main Author 大津孝彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本口腔衛生学会 2008
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Summary:現在, 国が行っている医療制度改革により, 今年度から老人保健法は「高齢者の医療の確保に関する法律」に改正されました. これにより, これまで市町村を主体として実施されてきた生活習慣病対策は, 特定健康診査, 特定保健指導という形で, 医療保険者もその役割を担うこととなっております. 歯周疾患検診等の保健事業も老人保健法から, 健康増進法のもとに行われるなど, 歯科を取り巻く環境も大きく変化しております. 県では, すべての人が歯と口腔の健康を保ち, 健康寿命を延ばして豊かな生活ができるよう, 生涯にわたる歯と口腔の健康保持・増進および8020の実現を目指してさまざまな施策を展開していますが, このような医療制度改革の流れのなか, 歯科保健の充実を図るとともに在宅歯科医療や障害児・者の歯科医療等積極的に取り組まなければならない問題も多くあります. また, 歯と口腔の健康づくりは個人の努力だけでなく, 地域を主体とした健康づくりの推進など, 社会全体として取り組んでいくべき課題ですが, 大分県のこれまでの対応を含め, 今後の歯科保健医療のあり方について考える機会としたいと思っています.
ISSN:0023-2831