P4 徳島大学病院ICUにおける専門的口腔ケアの取り組み

徳島大学病院口腔管理センターでは, (1)ICU入院患者の口腔からの感染症のリスクを軽減すること, (2)ICUにおける口腔ケアの基準化とレベルアップを図ることを目的とし, 平成19年9月よりICUにて専門的口腔ケアを開始した. 気管内挿管が続き感染リスクが高い患者を対象に, 看護師と協働して毎日実施している. 初診時, ほとんどすべての例で口唇乾燥が, 半数以上で舌苔, 歯面や粘膜の汚れがみられた. さらに, 顎堤粘膜の潰瘍, 動揺歯, 粘膜の発赤・荒れ・傷など, 日常のケアあるいは挿管チューブの固定の際に注意すべき問題点がみられた. 一方, 介入によって半数近くで口腔衛生状態の改善がみられ...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in口腔衛生学会雑誌 Vol. 58; no. 5; p. 558
Main Authors 吉岡昌美, 横山正明, 福井誠, 阿部洋子, 藤井裕美, 廣瀬薫, 星野由美, 松本尚子, 木田菊恵
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本口腔衛生学会 2008
Online AccessGet full text

Cover

More Information
Summary:徳島大学病院口腔管理センターでは, (1)ICU入院患者の口腔からの感染症のリスクを軽減すること, (2)ICUにおける口腔ケアの基準化とレベルアップを図ることを目的とし, 平成19年9月よりICUにて専門的口腔ケアを開始した. 気管内挿管が続き感染リスクが高い患者を対象に, 看護師と協働して毎日実施している. 初診時, ほとんどすべての例で口唇乾燥が, 半数以上で舌苔, 歯面や粘膜の汚れがみられた. さらに, 顎堤粘膜の潰瘍, 動揺歯, 粘膜の発赤・荒れ・傷など, 日常のケアあるいは挿管チューブの固定の際に注意すべき問題点がみられた. 一方, 介入によって半数近くで口腔衛生状態の改善がみられた. これらの情報は, 担当看護師への申し送りやベッドサイドにある評価表への記録によってスタッフ間で共有している. ICUでの専門的口腔ケア実施回数は増加している. 今後さらに連携を深め, 口腔ケアを充実させることが重要であると考えられる.
ISSN:0023-2831