P15. 歯垢の評価に対する光学的診査技術の応用

歯のもつ自家蛍光を利用して初期う蝕を検出・評価するQLF法などの光学的診査機器を歯垢の観察に用いると, 赤色蛍光を発する歯垢が検出できることが明らかとなってきている. 本研究では光学的診査技術が歯垢の評価に応用できるかどうかを検討する目的で, 光学的診査機器であるペンスコープおよびInspektor Proを用いて歯垢の観察を行った. 両機器を用いて撮影したデジタル画像を比較すると, ペンスコープの画像には明瞭な赤色蛍光が観察され, 患者への動機付けのための媒体としても有効であった. 一方, Inspektor Proの画像に観察される赤色蛍光はやや弱いが, 画像解析プログラムにて解析すると,...

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Published in口腔衛生学会雑誌 Vol. 56; no. 5; p. 726
Main Authors 奥村紀子, 川崎弘二, 上村参生, 高島隆太郎, 酒井怜子, 田治米元信, 小室美樹, 吉田邦明, 田中浩二, 神原正樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本口腔衛生学会 2006
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ISSN0023-2831

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Summary:歯のもつ自家蛍光を利用して初期う蝕を検出・評価するQLF法などの光学的診査機器を歯垢の観察に用いると, 赤色蛍光を発する歯垢が検出できることが明らかとなってきている. 本研究では光学的診査技術が歯垢の評価に応用できるかどうかを検討する目的で, 光学的診査機器であるペンスコープおよびInspektor Proを用いて歯垢の観察を行った. 両機器を用いて撮影したデジタル画像を比較すると, ペンスコープの画像には明瞭な赤色蛍光が観察され, 患者への動機付けのための媒体としても有効であった. 一方, Inspektor Proの画像に観察される赤色蛍光はやや弱いが, 画像解析プログラムにて解析すると, 赤色蛍光を発する歯垢の面積や蛍光強度を算出することが可能であった. 赤色蛍光の強度は歯垢の菌叢を反映するという報告もあり, 光学的診査技術は歯垢の視覚化のみならず, 歯垢の定量的評価や質的評価に応用できることが明らかとなった.
ISSN:0023-2831