6. Modified Significant Caries Indexによる幼児期のう蝕有病状況地域比較の試み

長崎県の1歳6か月児と3歳児歯科健康診査の資料から保健所圏域別にう蝕有病状況を比較するために, dmf者率, dmft指数といった従来からの疫学的指標に加えて, BratthallのSignificant Caries IndexをmodifyしたSiC50指数(dmftの高いほうから50%の集団の平均値)とSiC25指数(同様に25%)を考案し, 求めた. 1.6歳児ではその88.3~96.9%がcaries freeであるため, 最頻値と中央値はすべて0となり, 地域特性を明らかにするには不十分であった. dmft指数は0.09~0.43であったが, SiC50指数は0.18~0.85,...

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Published in口腔衛生学会雑誌 Vol. 56; no. 3; p. 333
Main Authors 北村雅保, 福田英輝, 川崎浩二, 重政昭彦, 新庄文明
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本口腔衛生学会 2006
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ISSN0023-2831

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Summary:長崎県の1歳6か月児と3歳児歯科健康診査の資料から保健所圏域別にう蝕有病状況を比較するために, dmf者率, dmft指数といった従来からの疫学的指標に加えて, BratthallのSignificant Caries IndexをmodifyしたSiC50指数(dmftの高いほうから50%の集団の平均値)とSiC25指数(同様に25%)を考案し, 求めた. 1.6歳児ではその88.3~96.9%がcaries freeであるため, 最頻値と中央値はすべて0となり, 地域特性を明らかにするには不十分であった. dmft指数は0.09~0.43であったが, SiC50指数は0.18~0.85, SiC25指数は0.37~1.74と地域格差が広がった. 3歳児では31.9~65.8%がcaries freeで, 最頻値はすべて0, 中央値は0~2と, 分布に偏りが認められた. dmft指数は1.39~4.29で, SiC50指数は2.76~8.26, SiC25指数は5.09~11.94と値が大きくなっていったが, その差は地域により異なった. SiC指数はHealth for Allの理念とパーセンタイルの考え方を準用したものであるが, 通常用いられる50パーセンタイル(SiC50指数)と75パーセンタイル(SiC25指数)を, dmf者率に基づいてそれぞれ3歳児と1.6歳児に適用することが妥当と考えられる.
ISSN:0023-2831