2-1-1 勤労者における腰痛 -Roland-Morris Disability Questionnaire(日本語版)を用いた検討

企業健康診断における腰痛に関する情報を, 統計学的に解析し, Roland-Morris Disability Questionnaire(以下RDQ)日本語版を用いてその特性を検討した. 本年度のTDK成田工場の集団検診の際, 受診者の性別, 身長, 体重, 喫煙, 運動習慣, 職種, 腰痛の既往, 腰椎手術の既往, RDQを調査し, 回答を得た1,075名(平均年齢40.3歳)を対象とした. 全体の腰痛有訴率は20.3%で, 女性が有意に高かった. 腰痛, 腰椎手術の既往がある群では, ない群と比較し有訴率は有意に高く, 職種の違いでも有意差を認めたが, 喫煙の有無で有意差はなかった. B...

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Published in日本腰痛学会雑誌 Vol. 13; no. 1; pp. 244 - 245
Main Authors 井上玄, 大鳥精司, 伊藤俊紀, 古志貴和, 山内かづ代, 山下正臣, 鈴木宗貴, 守屋秀繁, 高橋和久, 土屋惠一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本腰痛学会 2007
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Summary:企業健康診断における腰痛に関する情報を, 統計学的に解析し, Roland-Morris Disability Questionnaire(以下RDQ)日本語版を用いてその特性を検討した. 本年度のTDK成田工場の集団検診の際, 受診者の性別, 身長, 体重, 喫煙, 運動習慣, 職種, 腰痛の既往, 腰椎手術の既往, RDQを調査し, 回答を得た1,075名(平均年齢40.3歳)を対象とした. 全体の腰痛有訴率は20.3%で, 女性が有意に高かった. 腰痛, 腰椎手術の既往がある群では, ない群と比較し有訴率は有意に高く, 職種の違いでも有意差を認めたが, 喫煙の有無で有意差はなかった. Body mass indexとRDQには正の相関を認めた. 今回の結果より, 有病率に最も影響しているのは職種であり, 重労働となる立ち仕事ほど, 腰痛の危険率が高かった. 作業環境の整備などとともに, 日常生活上の健康管理も腰痛発症の予防には重要であると考えられた.
ISSN:1345-9074