PD3-4 腰痛に対する簡便な運動療法の試み

3カ月以上持続する慢性腰痛症に対し, 簡便な運動療法を考案実施した. 対象症例は13例(男5例, 女8例), 平均年齢60歳. X線所見で変形性脊椎症, 腰椎すべり症は9例で, 明らかな神経脱落症状を有するものはなかった. 方法は端座位で臀部以下を動かさずに, 体幹・上肢・頚部を左右どちらかに最大回旋したところで3秒同一姿勢を保持させ, 正面に向き直ったら反対方向に最大回旋させて再度3秒保持, これを一往復として5~10往復し, 一日のうちに3回以上励行させるものである. 運動開始約3カ月後には, 腰痛がほぼ消失したり, かなり改善した良好群が10例, 幾分よいが腰痛残存していたりあまり変わら...

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Published in日本腰痛学会雑誌 Vol. 13; no. 1; p. 240
Main Authors 青木孝文, 今野俊介, 宮本雅史, 伊藤博元
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本腰痛学会 2007
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ISSN1345-9074

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Summary:3カ月以上持続する慢性腰痛症に対し, 簡便な運動療法を考案実施した. 対象症例は13例(男5例, 女8例), 平均年齢60歳. X線所見で変形性脊椎症, 腰椎すべり症は9例で, 明らかな神経脱落症状を有するものはなかった. 方法は端座位で臀部以下を動かさずに, 体幹・上肢・頚部を左右どちらかに最大回旋したところで3秒同一姿勢を保持させ, 正面に向き直ったら反対方向に最大回旋させて再度3秒保持, これを一往復として5~10往復し, 一日のうちに3回以上励行させるものである. 運動開始約3カ月後には, 腰痛がほぼ消失したり, かなり改善した良好群が10例, 幾分よいが腰痛残存していたりあまり変わらなかった不良群が3例であった. 慢性腰痛の発症機序については, 傍脊柱筋群の運動時発火異常も要因の一つと推定されるが, 本法はそうした筋群に対するストレッチ効果により, 脊椎分節性の柔軟性を再獲得することに有効なのではないかと推定した.
ISSN:1345-9074