S3-1腰痛に対する各種保存療法:L2ルートブロック

われわれはラットL5/6椎間板を支配する神経がL2後根神経節に入ることを示してきた. 今回, ヒト腰椎椎間板性腰痛に対し, L2ルートブロック(RB)の効果について検討した. 1995年:症例はL4/5, L5/S1の椎間板性腰痛を呈する33例であった. 全例, L2RB(1%リドカイン1.5ml)を行った. 2000年は68例であった. ランダムにL2RBとL4またはL5RBを行った. 結果, 1995年:注射前のVASは5.0に対し15分後のVASは0.8と有意差を認めた. 効果時間は平均20.7日であった. 2000年:L2RB前VASは8.0に対し15分後VASは4.3, L4またはL...

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Published in日本腰痛学会雑誌 Vol. 12; no. 1; p. 194
Main Authors 大鳥精司, 井上玄, 古志貴和, 伊藤俊紀, 守屋秀繁, 高橋和久, 中村伸一郎, 高橋弦, 鮫田寛明, 村田泰章, 花岡英二
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本腰痛学会 2006
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Summary:われわれはラットL5/6椎間板を支配する神経がL2後根神経節に入ることを示してきた. 今回, ヒト腰椎椎間板性腰痛に対し, L2ルートブロック(RB)の効果について検討した. 1995年:症例はL4/5, L5/S1の椎間板性腰痛を呈する33例であった. 全例, L2RB(1%リドカイン1.5ml)を行った. 2000年は68例であった. ランダムにL2RBとL4またはL5RBを行った. 結果, 1995年:注射前のVASは5.0に対し15分後のVASは0.8と有意差を認めた. 効果時間は平均20.7日であった. 2000年:L2RB前VASは8.0に対し15分後VASは4.3, L4またはL5RB前VASは7.8に対し15分後VASは3.4と両ブロックともに同様に有意差を認めた. L4またはL5RBの効果期間は平均8日であるのに対しL2RBは有効であることが示された. L4またはL5RBも短期的には有効であるが, (1)麻酔薬が直接椎間板に効いてしまっている, (2)椎間板支配の神経が同高位の後根神経根に支配されている可能性が示唆された.
ISSN:1345-9074