I-6 いわゆる「ぎっくり腰」における発痛源の検討

【目的】いわゆる「ぎっくり腰」の発痛源をその臨床的特徴から推定可能かどうかを検討した. 対象・方法:椎間板性疼痛37例, 椎間関節性疼痛5例, 仙腸関節性疼痛2例の計44例(51例に椎間板ブロックを施行)を対象に検討した. 【結果】(1)疼痛領域:両側性腰痛の20例中19例(95%)は椎間板性疼痛であった. 片側性腰痛の22例中18例(82%)が椎間板性疼痛で, 4例(18%)が椎間関節性疼痛であった. 主に臀部領域に疼痛がみられたのは2例で, 2例とも仙腸関節性疼痛であった. (2)傍脊柱筋の圧痛:椎間板性疼痛の37例中27例(73%)で圧痛はみられず, 椎間関節性疼痛の5例中4例で圧痛がみ...

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Published in日本腰痛学会雑誌 Vol. 9; no. 1; p. 186
Main Authors 兵藤弘訓, 佐藤哲朗, 佐々木祐肇, 佐々木信之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本腰痛学会 2003
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Summary:【目的】いわゆる「ぎっくり腰」の発痛源をその臨床的特徴から推定可能かどうかを検討した. 対象・方法:椎間板性疼痛37例, 椎間関節性疼痛5例, 仙腸関節性疼痛2例の計44例(51例に椎間板ブロックを施行)を対象に検討した. 【結果】(1)疼痛領域:両側性腰痛の20例中19例(95%)は椎間板性疼痛であった. 片側性腰痛の22例中18例(82%)が椎間板性疼痛で, 4例(18%)が椎間関節性疼痛であった. 主に臀部領域に疼痛がみられたのは2例で, 2例とも仙腸関節性疼痛であった. (2)傍脊柱筋の圧痛:椎間板性疼痛の37例中27例(73%)で圧痛はみられず, 椎間関節性疼痛の5例中4例で圧痛がみられた. (3)腰痛側と椎間板の突出方向との関係(protrusion 18例, extrusion 7例の計25例):25例中21例(84%)で腰痛側と椎間板の突出方向は一致した. 【結語】両側性腰痛であれば, ほぼ椎間板性疼痛と考えてよい. 片側性腰痛であれば約80%は椎間板性疼痛であり, 残りの多くは椎間関節性疼痛であり両者の鑑別が必要である. その際には, 傍脊柱筋の圧痛, 椎間板の突出方向と腰痛側の関係が補助診断に参考となる.
ISSN:1345-9074