II-10 高齢者の脊柱管狭窄症手術症例の検討-腰痛推移について
手術的治療を行った70歳以上の腰部脊柱管狭窄症患者26名を対象として, 術後状態の検討, 特に腰痛の推移について検討した. 対象患者の平均年齢は73.8歳で, 術後経過期間は平均5.3年であった. すべての患者は術前間欠跛行を訴えていた. 腰痛は10例に認めた. 手術は全例椎弓切除術と後側方固定術を行ったが, シリーズ後期の16例ではインストルメントによる内固定を併用した. 術後追跡調査可能な21例中16例(76.2%)は良好な結果を示した. 19例(90.5%)で間欠跛行が消失した. 腰痛は4例(有症候群のうちの40%)で残存した. 持続的な腰痛であり体動や歩行で変化するようなものではなかっ...
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Published in | 日本腰痛学会雑誌 Vol. 7; no. 1; p. 145 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本腰痛学会
2001
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ISSN | 1345-9074 |
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Summary: | 手術的治療を行った70歳以上の腰部脊柱管狭窄症患者26名を対象として, 術後状態の検討, 特に腰痛の推移について検討した. 対象患者の平均年齢は73.8歳で, 術後経過期間は平均5.3年であった. すべての患者は術前間欠跛行を訴えていた. 腰痛は10例に認めた. 手術は全例椎弓切除術と後側方固定術を行ったが, シリーズ後期の16例ではインストルメントによる内固定を併用した. 術後追跡調査可能な21例中16例(76.2%)は良好な結果を示した. 19例(90.5%)で間欠跛行が消失した. 腰痛は4例(有症候群のうちの40%)で残存した. 持続的な腰痛であり体動や歩行で変化するようなものではなかった. 術後画像上明らかな狭窄はなく, 腰痛発現場所の特定は困難であった. 本結果は70歳以上の高齢者でも手術的治療が有効なことを示したが, 腰痛を消退せしめるには困難な場合もあり, これは術前に狭窄以外の要因が腰痛を起こしていたかもしれぬことを示唆する. |
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ISSN: | 1345-9074 |