I-2 腰椎椎間板ヘルニアにおける腰部多裂筋の病態とリハビリテーション

片側下肢に臨床症状を有する17名の腰椎椎間板ヘルニア患者の腰部多裂筋の組織科学的および筋電図変化を症状側と非症状側で比較検討した. 筋電図は17名の患者のうち5名で, 症状側のみにPolyphasic Potentialsを認めた. 組織化学検査ではType1, 2線維とも症状側の線維径が有意に小さかった. 神経原性の異常所見とされるfiber type groupingやsmall angular fibersは症状側で多く確認された. 筋電図と組織化学所見との相関に関しては, 筋露図に異常を認めた群での線維径の減少率が大きく, 特にTpe2線維で顕著であった. 従来がら腰痛体操として行われ...

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Published in日本腰痛学会雑誌 Vol. 7; no. 1; p. 132
Main Authors 吉原潔, 白井康正, 中山義人, 南和文, 宮本雅史, 中嶋隆夫, 小林俊之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本腰痛学会 2001
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Summary:片側下肢に臨床症状を有する17名の腰椎椎間板ヘルニア患者の腰部多裂筋の組織科学的および筋電図変化を症状側と非症状側で比較検討した. 筋電図は17名の患者のうち5名で, 症状側のみにPolyphasic Potentialsを認めた. 組織化学検査ではType1, 2線維とも症状側の線維径が有意に小さかった. 神経原性の異常所見とされるfiber type groupingやsmall angular fibersは症状側で多く確認された. 筋電図と組織化学所見との相関に関しては, 筋露図に異常を認めた群での線維径の減少率が大きく, 特にTpe2線維で顕著であった. 従来がら腰痛体操として行われているのは主としてType1線維の強化運動であったが, 今回の多裂筋の評価より, 抵抗を加えた腹臥位での伸展運動や素早い動きでの体幹運動によるType2線維の強化運動も推間板ヘルニアの患者に必要と考えられた.
ISSN:1345-9074