管理栄養士の立場から 「災害時の栄養支援」

東日本大震災の災害ボランティアとして, 4月12日に福島県南相馬市, 6月25日から3日間宮城県気仙沼市で栄養支援活動を行った. 主な活動として南相馬では, 避難所での食事内容の聞き取り調査による栄養素の把握と栄養評価に基づくアドバイス, 持参した支援物質の説明と提供を行った. 気仙沼では在宅訪問チームに同行し, 継続支援をしている褥瘡患者の栄養評価および食事のアドバイスと栄養補助食品の提供を行った. 被災地では十分な食料がない中でどのように工夫して栄養を摂ってもらうのか, せっかくの支援物資が活用できていないという状況もあった. しかし, サプリメントや補助食品の具体的な使い方, 今ある食材...

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Published in外科と代謝・栄養 Vol. 46; no. 1; p. 21
Main Authors 高村晴美, 柿崎祥子, 徳永圭子, 足立香代子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本外科代謝栄養学会 2012
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Summary:東日本大震災の災害ボランティアとして, 4月12日に福島県南相馬市, 6月25日から3日間宮城県気仙沼市で栄養支援活動を行った. 主な活動として南相馬では, 避難所での食事内容の聞き取り調査による栄養素の把握と栄養評価に基づくアドバイス, 持参した支援物質の説明と提供を行った. 気仙沼では在宅訪問チームに同行し, 継続支援をしている褥瘡患者の栄養評価および食事のアドバイスと栄養補助食品の提供を行った. 被災地では十分な食料がない中でどのように工夫して栄養を摂ってもらうのか, せっかくの支援物資が活用できていないという状況もあった. しかし, サプリメントや補助食品の具体的な使い方, 今ある食材を利用した献立の工夫, 食べ方の説明など日々の業務が生かされる場面は多いと感じた. 管理栄養士としての知識と知恵, 判断力と行動力をもって臨機応変に対応することと, 支援する医療従事者や組織との連携が大切であると痛感した.
ISSN:0389-5564