<一般演題3>早期糖尿病性神経障害の診断

1. 緒言 糖尿病性神経障害は, 糖尿病患者において様々な病態を引き起こし, QOLを著しく低下させるのみならず, 糖尿病性自律神経障害(DAN), とりわけ心血管系DANは重症化すれば突然死の原因ともなり得, 糖尿病患者の生命予後にも影響を及ぼす可能性がある1, 2). しかるに, 糖尿病患者の管理において, DANを早期に診断, 治療し, 悪化させないことが重要である. 糖尿病患者においてDANは, 糖尿病性末梢神経障害(DPN)の明らかでない段階から比較的早期に出現することが知られており3, 4), なかでも瞳孔機能異常はDANの最も早期に出現すると言われている5-7). 瞳孔機能検査は...

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Published in日本未病システム学会雑誌 Vol. 6; no. 2; pp. 15 - 18
Main Authors 中山幹浩, 中村二郎, 濱田洋司, 茶谷貞男, 水林竜一, 糟谷泰秀, 三輪一真, 堀田饒, 鈴木正昭
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本未病システム学会 2000
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Summary:1. 緒言 糖尿病性神経障害は, 糖尿病患者において様々な病態を引き起こし, QOLを著しく低下させるのみならず, 糖尿病性自律神経障害(DAN), とりわけ心血管系DANは重症化すれば突然死の原因ともなり得, 糖尿病患者の生命予後にも影響を及ぼす可能性がある1, 2). しかるに, 糖尿病患者の管理において, DANを早期に診断, 治療し, 悪化させないことが重要である. 糖尿病患者においてDANは, 糖尿病性末梢神経障害(DPN)の明らかでない段階から比較的早期に出現することが知られており3, 4), なかでも瞳孔機能異常はDANの最も早期に出現すると言われている5-7). 瞳孔機能検査は, 従来から用いられている心血管自律神経機能検査と同等もしくはそれ以上に再現性および感度の点で優れており8-10), 早期DPNの指標でもある神経伝導速度(NCV)検査におけるF波最小潜時11-13)とともに早期神経障害の診断に有用であると言われているが, 未だ一般臨床の場で汎用されるには至っていない. 本研究においてわれわれは, 瞳孔計を用いた早期DANの評価法について検討するとともに, DANに対するアルドース還元酵素阻害薬epalrestatの効果について検討した.
ISSN:1347-5541