P22 熱可塑性吸収プレートとβ-TCP補填材併用による骨増生法の開発―ラット頭蓋骨を用いた実験モデルにおける組織化学的検討
【目的】従来の膜を用いた骨再生誘導術(GBR法)では形態付与のための強度が不十分であるためspace makingがしばしば困難である. そこで, 骨接合材として臨床応用され強度的に優れ形態付与も容易である熱可塑性吸収プレートを膜の代わりに応用した場合の動物実験モデルを作成し, さらに窩洞内にβ-TCP顆粒を併用した場合の骨再生について組織化学的に解析した. 【方法】12週齢雄性Wistar系ラット頭蓋骨に規格化した骨窩洞を形成し, 同部にβ-TCP顆粒オスフェリオン?を充填後, ドーム状に形態付与したプレートLactoSorb?(PLA/PGA共重合体)で被覆した. 術後2, 4, 8, 1...
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Published in | 日本再生歯科医学会誌 Vol. 7; no. 1; p. 90 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本再生歯科医学会
2009
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Summary: | 【目的】従来の膜を用いた骨再生誘導術(GBR法)では形態付与のための強度が不十分であるためspace makingがしばしば困難である. そこで, 骨接合材として臨床応用され強度的に優れ形態付与も容易である熱可塑性吸収プレートを膜の代わりに応用した場合の動物実験モデルを作成し, さらに窩洞内にβ-TCP顆粒を併用した場合の骨再生について組織化学的に解析した. 【方法】12週齢雄性Wistar系ラット頭蓋骨に規格化した骨窩洞を形成し, 同部にβ-TCP顆粒オスフェリオン?を充填後, ドーム状に形態付与したプレートLactoSorb?(PLA/PGA共重合体)で被覆した. 術後2, 4, 8, 12週に同部位をパラフィン包埋し, アルカリホスファターゼ(ALP), 酒石酸抵抗性酸性ホスファターゼ(TRAP)の組織化学的解析を行った. 【結果】術後2週では窩洞底付近のβ-TCP顆粒表層にTRAP陽性破骨細胞が局在し, それに隣接してALP陽性骨芽細胞も観察された. これら骨芽細胞直下には線維性骨を認めた. このような骨新生は窩洞底部から始まり, 経時的に骨梁幅を増加させ, 術後12週にはプレートの形態に沿った新生骨が形成された. 内部のβ-TCP顆粒は徐々に骨に置換され小型かつ不整な辺縁を示した. 【結語】熱可塑性吸収プレートとβ-TCPを併用することで, リモデリングによる緻密な骨基質を有する新生骨がプレートの形態に沿って誘導されることが示された. |
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ISSN: | 1348-9615 |