C-2-5.当科における顎矯正手術症例の臨床統計的観察-第一報:症例分析

岡山大学歯学部附属病院第二口腔外科は1982年に開設以来, 2003年3月で20年を経過した. 外科矯正手術は1984年7月に第一症例を施行して以来のべ271症例を経験した. 特に最近10年間での症例数の増加がめざましく2002年度は年間43例となった. 今回われわれは当科開設以来20年間の顎矯正手術症例の臨床統計的観察を行ったので, その概要を報告する. 患者の内訳は男性84例, 女性187例で女性に多く, 男女比は1:2.2であった. 手術時年齢は, 骨延長を行った11歳から41歳までの平均22.3歳であった. 男性は平均22.5歳, 女性は平均22.1歳であった. 年代別では10歳代が9...

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Published in日本顎変形症学会雑誌 Vol. 13; no. 3; p. 209
Main Authors 辻本紗代子, 西山明慶, 塚本剛一, 吉濱泰斗, 目瀬浩, 佐々木朗, 山本照子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本顎変形症学会 2003
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Summary:岡山大学歯学部附属病院第二口腔外科は1982年に開設以来, 2003年3月で20年を経過した. 外科矯正手術は1984年7月に第一症例を施行して以来のべ271症例を経験した. 特に最近10年間での症例数の増加がめざましく2002年度は年間43例となった. 今回われわれは当科開設以来20年間の顎矯正手術症例の臨床統計的観察を行ったので, その概要を報告する. 患者の内訳は男性84例, 女性187例で女性に多く, 男女比は1:2.2であった. 手術時年齢は, 骨延長を行った11歳から41歳までの平均22.3歳であった. 男性は平均22.5歳, 女性は平均22.1歳であった. 年代別では10歳代が95例(35.1%), 20歳代前半が107例(39.5%), 20歳代後半が42例(15.5%), 30歳代が24例(8.9%)と20歳代前半が最多であった. 患者の住所分布は市内が98例, 県内105例と大半を占めていた. 年度別推移では1995年以降年々増加傾向にある. 主訴別の内訳は, 審美障害が171例(男性46例, 女性125例)と最も多く, ついで不正咬合が60例(男性24例, 女性36例), 咀嚼障害が14例(男性7例, 女性7例), 顎関節症状が8例(男性2例, 女性6例), 発音障害が女性のみ1例であった. 女性では審美障害が大半を占めていた. 当科への受診経路は本院矯正科初診が136例, 矯正開業医からの当科への紹介が94例, 口腔外科初診が8例, その他の経路が16例であった. 特に矯正開業医からの紹介が95年度には4例であったが, 2002年度には23例と増加していた. 病態別内訳は下顎前突が219例で最も多く, 非対称が112例, 開咬が71例, 下顎後退症が13例であった.
ISSN:0916-7048