2-2-AM2-3.下顎枝矢状分割後の知覚異常の発現率と下顎管の頬舌的位置関係について

背景および目的:これまでわれわれは, CT画像を用い, 骨格性下顎前突症患者の下顎管の走行について検索してきた. 今回は下顎管の走行と術後の知覚異常との関連性について検討した. 対照および方法:オトガイ形成を併用せず, 下顎枝矢状分割術を施行した骨格性下顎前突症患者(うち, CT撮影を行った男性7名女性14名, 計21名左右42側)を対象に, 咬合平面に平行に2.5mmスライス幅の骨イメージCT像を用いた. このCT像の下顎孔直下, 中間部, 下顎角部, 骨体部の4カ所で頬舌的な下顎管の走行を調査した. また, 知覚異常の有無は, 手指ならびにガーゼにより下唇を軽く擦過した際の患者の訴えにより...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本顎変形症学会雑誌 Vol. 11; no. 2; pp. 143 - 144
Main Authors 辻祥之, 武藤寿孝, 川上譲治, 茂尾公晴, 武田成浩, 高畑友, 金澤正昭
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本顎変形症学会 2001
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:背景および目的:これまでわれわれは, CT画像を用い, 骨格性下顎前突症患者の下顎管の走行について検索してきた. 今回は下顎管の走行と術後の知覚異常との関連性について検討した. 対照および方法:オトガイ形成を併用せず, 下顎枝矢状分割術を施行した骨格性下顎前突症患者(うち, CT撮影を行った男性7名女性14名, 計21名左右42側)を対象に, 咬合平面に平行に2.5mmスライス幅の骨イメージCT像を用いた. このCT像の下顎孔直下, 中間部, 下顎角部, 骨体部の4カ所で頬舌的な下顎管の走行を調査した. また, 知覚異常の有無は, 手指ならびにガーゼにより下唇を軽く擦過した際の患者の訴えにより知覚異常群, まったく異常を訴えないものを非知覚異常群とした. 結果:下顎枝矢状分割術後一週での知覚異常群は42側中29側66.7%であった. そのうち, 下顎管壁が頬側皮質骨に接していた10側では9側90%に, 下顎管壁と頬側皮質骨間に海綿骨領域が介在していた32側では19側59.4%に知覚異常がみられた. また, 頬側海綿骨の厚さの平均は, 下顎孔直下で知覚異常群1.3mm非知覚異常群2.3mm, 中間部で異常群1.0mm非異常群1.8mm, 下顎角部で異常群1.4mm非異常群2.4mmと, 知覚異常群は, 非知覚異常群と比べ有意に薄いことがわかった. 質問 大阪歯, 大, 口外I 久保誼修 知覚異常の発現率について, 下歯槽管の位置について検討されていますが, 術式等に関しての検討はされていかれないのでしょうか.
ISSN:0916-7048