2-C-9.下顎骨前方移動術を施した下顎後退症の術後の顎態変化について
目的:下顎骨前方移動術を施行した症例の保定期間中の顎態変化はきわめて興味深いテーマである. 今回われわれは, 術後矯正治療中ならびに保定期間中の歯顎骨の変化に着目し, 矢状面ならびに垂直面での変化および咬合変化について検討した. 方法:骨格性下顎後退症と診断し外科的矯正治療を施行した患者7名(男性2名, 女性5名)を研究対象とした. 手術は全症例とも下顎枝矢状分割法単独で行った. 骨片固定法はネジ止め固定法が6名, 囲繞固定法が1名であった. 初診時, 術直前, 術直後, 保定開始時, および保定中(保定開始後1年以上経過時)の側面頭部X線規格写真を資料とした. 結果結論:1. 術後矯正治療中...
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Published in | 日本顎変形症学会雑誌 Vol. 10; no. 2; pp. 208 - 209 |
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Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本顎変形症学会
2000
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Summary: | 目的:下顎骨前方移動術を施行した症例の保定期間中の顎態変化はきわめて興味深いテーマである. 今回われわれは, 術後矯正治療中ならびに保定期間中の歯顎骨の変化に着目し, 矢状面ならびに垂直面での変化および咬合変化について検討した. 方法:骨格性下顎後退症と診断し外科的矯正治療を施行した患者7名(男性2名, 女性5名)を研究対象とした. 手術は全症例とも下顎枝矢状分割法単独で行った. 骨片固定法はネジ止め固定法が6名, 囲繞固定法が1名であった. 初診時, 術直前, 術直後, 保定開始時, および保定中(保定開始後1年以上経過時)の側面頭部X線規格写真を資料とした. 結果結論:1. 術後矯正治療中ならびに保定期間中の変化の平均的傾向として, overjetおよびMentonでは後戻りの傾向を認めた. しかしoverbiteには必ずしもその傾向は認められなかった. 2. 7症例中3症例では, 保定中のoverjet, overbiteは, ほぼ臨床的に許容しうる範囲に安定していた. しかし, 初診時のoverjet overbiteの程度, 前方移動時の咬合の緊密度, 近位骨片の位置決め, さらに予知せぬ下顎頭の骨吸収等の要因により保定期間中の咬合には必ずしも好ましくない変化が生じてくることが示唆された. 質問 北海道大歯2補綴 大畑昇 1. 下顎骨体の移動は, 咬合平面の移動と考えてよろしいでしょうか. 開咬症例の場合は, オーバーコレクションのため臼歯に対する術後矯正等を行うことが多いので, 咬合平面の変化を知りたいと思いました. 回答 東医歯大顎顔面矯正 川元龍夫 今回の発表では, 咬合平面と下顎下縁平面角の変化に関しては検討していません. 質問 東大医口外 須佐美隆史 上顎前突の原因について, 様々な症例が合まれているようですが, その影響はどう考えるのでしょうか. 回答 東医歯大顎顔面矯正 川元龍夫 今回用いた下顎後退症患者の中には, 先天異常患者を除いてありますが, low mandible症例とsteep mandible症例が混在しております. これらの顎態の差異は術後変化に大きく影響を与えるものと推測されますが, 資料数が少ないことから, 一括した資料から平均的傾向を抽出した後, 個々の症例について検討しました. |
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ISSN: | 0916-7048 |