1-A-23.口腔外仮骨延長装置を下顎両側に用いた開咬症の1例
今回われわれは顎関節症を伴う成人の開咬症に対して, マルチガイド下顎骨創外固定器を用いて下顎抜に対する下顎体部の角度を仮骨延長しながら変えることにより良好な結果をえられたので報告した. (症例)52歳, 女性. 49歳時脳内出血の術後から前歯部開咬症を生じてきたとの主訴であった. 両側顎関節症を伴っており, 51歳時に左顎関節開放授動術を施行し, 関節症状は軽快したが, 開咬状態の改善のため, 顎矯正手術を行うことにした. 咬 合接触は最後方臼歯のみで, 0verbite:-12mm, Mandibular plane:46°, Y-axis:72°, 1 to 1:113°などであった. (...
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Published in | 日本顎変形症学会雑誌 Vol. 10; no. 2; pp. 178 - 179 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本顎変形症学会
2000
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Summary: | 今回われわれは顎関節症を伴う成人の開咬症に対して, マルチガイド下顎骨創外固定器を用いて下顎抜に対する下顎体部の角度を仮骨延長しながら変えることにより良好な結果をえられたので報告した. (症例)52歳, 女性. 49歳時脳内出血の術後から前歯部開咬症を生じてきたとの主訴であった. 両側顎関節症を伴っており, 51歳時に左顎関節開放授動術を施行し, 関節症状は軽快したが, 開咬状態の改善のため, 顎矯正手術を行うことにした. 咬 合接触は最後方臼歯のみで, 0verbite:-12mm, Mandibular plane:46°, Y-axis:72°, 1 to 1:113°などであった. (処置および経過)8 8を抜歯し, この部位で楔状の体部骨切りを行い, 創外固定器を左右に装着した. 術後8日目から左右同時に延長開始し, 一日あたりの延長量は直線延長を1mm, 矢状面水平面を3°とした. ピンのたわみのため, 延長量が安定せず予定日数を超えて装置を操作した. 延長の方向修正は咬合を見ながら行った. 延長開始6日目に小臼歯部の咬合が得られ, 移動は10日間で終了した. 延長期間中は上下顎骨間で顎間牽引を行った. また本格的歯列矯正は行わなかったが, 前歯部を顎間牽引して前歯被蓋を得た. 延長終了から25日間固定した. 咀嚼障害は改善 し, オトガイ部の前上方への移動が認められた. 術後1年を経過し, 前歯に歯槽性の後戻りを生じているが骨切り部には認めていない. |
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ISSN: | 0916-7048 |