1-C-40.顎矯正手術患者の術前術後の細胞内サイトカインレベルの変動

外科手術を受けた患者の体内では種々のサイトカインが産生される. 特に, CD4+Tリンパ球から産生されるinterferon-γ(IFN-y), マクロファージから産生されるtumornecrosis factor-α(TNF-α)は, 種々の免疫担当細胞の機能を調節し, 術後の患者の免疫能に影響を与えていると考えられる. Tリンパ球は, その産生するサイトカインと免疫応答様式により, Th1とTh2の2つのサブセットに分類される. Th1が主にIFN-γを産生し, 細胞性免疫の亢進に関与するのに対し, Th2はIL-4などを産生し液性免疫に関わっている. 最近, 細胞が産生するサイトカインを...

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Published in日本顎変形症学会雑誌 Vol. 9; no. 2; p. 147
Main Authors 宮岡憲一, 上條竜太郎, 滝沢邦生, 坂田寿江, 岩瀬正泰, 南雲正男
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本顎変形症学会 1999
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ISSN0916-7048

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Summary:外科手術を受けた患者の体内では種々のサイトカインが産生される. 特に, CD4+Tリンパ球から産生されるinterferon-γ(IFN-y), マクロファージから産生されるtumornecrosis factor-α(TNF-α)は, 種々の免疫担当細胞の機能を調節し, 術後の患者の免疫能に影響を与えていると考えられる. Tリンパ球は, その産生するサイトカインと免疫応答様式により, Th1とTh2の2つのサブセットに分類される. Th1が主にIFN-γを産生し, 細胞性免疫の亢進に関与するのに対し, Th2はIL-4などを産生し液性免疫に関わっている. 最近, 細胞が産生するサイトカインをその細胞内にとどめ, 各Tリンパ球サブセットのサイトカイン産生パターンをflow cytometryを用いて, より正確に比較定量する方法が確立された. そこで今回, 本法を用いて当科において顎変形症手術を受けた患者の術前, 術後のサイトカイン産生細胞とその産生能について検討を行い, 外科的侵襲によつて術後のサイトカインがどのように変化をしているのか比較検討した.
ISSN:0916-7048