弱視治療の実際と注意点

[I. 緒言] 弱視の原因として屈折異常, 不同視, 斜視(微小斜視を含む), 視性刺激遮断があげられる. 斜視弱視は保護者が眼位異常に気づき早期に受診することが多いが, 微小斜視弱視は3歳児健診もしくはそれ以後の視力検査で発見されることが多く, また不同視弱視と診断して治療中に微小斜視弱視であったと判明することも少なくない. 今回は斜視を伴う弱視として, 斜視弱視と微小斜視弱視の治療における注意点について述べる. [II. 治療の原則] 私たちが行っている治療の原則について解説する. 初診時, まず問診を行うが, 3歳児健診や前医で弱視が発見できず, すり抜けている患児である場合もあるので,...

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Published in日本視能訓練士協会誌 Vol. 38; pp. 23 - 27
Main Author 楠部亨
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本視能訓練士協会 2009
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Summary:[I. 緒言] 弱視の原因として屈折異常, 不同視, 斜視(微小斜視を含む), 視性刺激遮断があげられる. 斜視弱視は保護者が眼位異常に気づき早期に受診することが多いが, 微小斜視弱視は3歳児健診もしくはそれ以後の視力検査で発見されることが多く, また不同視弱視と診断して治療中に微小斜視弱視であったと判明することも少なくない. 今回は斜視を伴う弱視として, 斜視弱視と微小斜視弱視の治療における注意点について述べる. [II. 治療の原則] 私たちが行っている治療の原則について解説する. 初診時, まず問診を行うが, 3歳児健診や前医で弱視が発見できず, すり抜けている患児である場合もあるので, 受診の遅れを批判するような発言は慎むべきである. 次に, 屈折検査は塩酸シクロペントレートや硫酸アトロピンを用いた負荷後屈折検査を行う. できるだけ初回検査は硫酸アトロピンを使用したい. 硫酸アトロピンの濃度は3歳未満では0.5%に希釈して用いる.
ISSN:0387-5172