臨床検査技術科学

医療職への興味は, 小学生時代に読んだ「ブラックジャック」がきっかけであり, テレビでも医療系のドキュメンタリー番組を好んで見るようになりました. 高校の先生の友人に現役の臨床検査技師の方がいて, 進路相談の一環でその方からお話を聞く機会がありました. 恥ずかしながらそこで初めて臨床検査技師の存在と仕事内容を知り, 現代の医療に必要不可欠な臨床検査に興味を抱きました. さらに, ありがたいことにその方の職場も見学させていただき, 高校生の私にとって初めて見るその世界はとても魅力的に映り, 臨床検査技師の道に進むことを決意しました. 大学卒業後は本学の医学部附属病院臨床検査部に入職させていただき...

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Published in信州医学雑誌 Vol. 72; no. 1; p. 72
Main Author 新井慎平
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 信州医学会 10.02.2024
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Summary:医療職への興味は, 小学生時代に読んだ「ブラックジャック」がきっかけであり, テレビでも医療系のドキュメンタリー番組を好んで見るようになりました. 高校の先生の友人に現役の臨床検査技師の方がいて, 進路相談の一環でその方からお話を聞く機会がありました. 恥ずかしながらそこで初めて臨床検査技師の存在と仕事内容を知り, 現代の医療に必要不可欠な臨床検査に興味を抱きました. さらに, ありがたいことにその方の職場も見学させていただき, 高校生の私にとって初めて見るその世界はとても魅力的に映り, 臨床検査技師の道に進むことを決意しました. 大学卒業後は本学の医学部附属病院臨床検査部に入職させていただき, 主に血液検査学, 一般検査学の業務を担当していました. 日常業務を通して専門性を追求し, 他職種連携で仕事のやりがいを実感することができました. また, 日常業務を行う傍ら, 社会人大学院生として保健学科の先生方の指導のもとで病理組織学(修士)と血液学(博士)の研究に従事しました. 大学院の研究テーマに加えて, 日常業務中に発見した事例や稀少症例の解析といった臨床現場でしかできない研究も経験することができ, 働きながら行う研究の楽しさに気付くことができました. 臨床現場では10年間働かせていただき, 現在は母校で臨床検査技師の教育に従事しています. 大学で経験する専門科目の講義や実習は, 学生にとって初めて臨床検査を体験する場になります. そこで感じた興味や楽しさは, 臨床検査を意欲的に学習する原動力になると考えています. 臨床検査の知識や技術を伝授するだけでなく, この先の時代の変化に柔軟に対応できる臨床検査技師を育てられるよう, 日々の教育業務に向き合っています. 現在の研究テーマは「先天性フィブリノゲン異常症とその分子異常の解析」です. 研究成果を通して新しい臨床検査法を提案できるよう, 研究に取り組んでいます. (信大平22年卒)
ISSN:0037-3826