血液透析療法の催上室性不整脈性-P波加算平均心電図による検討

(論文の内容の要旨)【目的】発作性心房細動等の上室性不整脈は, 血液透析中に高頻度に出現する. 上室性不整脈は循環動態の変化を惹起し, しばしば血液透析の妨げとなりうる. また, 心房細動自体が透析患者の予後不良を予測するとの報告もあり, 透析中に生じる上室性不整脈の抑制は維持透析症例の管理における重要な主題である. 上室性不整脈に対する受攻性の定量的且つ非侵襲的な評価方法として, P波加算平均心電図(P-SAECG)がある. P-SAECGの主な計測値としてP wave duration(PWD)とroot mean square voltages for the last 20ms of...

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Published in信州医学雑誌 Vol. 61; no. 5; pp. 293 - 294
Main Author 島田健太郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 信州医学会 10.10.2013
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Summary:(論文の内容の要旨)【目的】発作性心房細動等の上室性不整脈は, 血液透析中に高頻度に出現する. 上室性不整脈は循環動態の変化を惹起し, しばしば血液透析の妨げとなりうる. また, 心房細動自体が透析患者の予後不良を予測するとの報告もあり, 透析中に生じる上室性不整脈の抑制は維持透析症例の管理における重要な主題である. 上室性不整脈に対する受攻性の定量的且つ非侵襲的な評価方法として, P波加算平均心電図(P-SAECG)がある. P-SAECGの主な計測値としてP wave duration(PWD)とroot mean square voltages for the last 20ms of the P wave(RMS20)の2項目があり, PWDの延長とRMS20の短縮は将来的な心房細動の発症を予測するとされている. しかしながら, 血液透析中のP-SAECG所見を調査した研究はこれまで成されていない. そのため今回我々は, 血液透析の催不整脈性を電気生理学的に評価するため, 透析の最中を含めて透析時のP-SAECGを計測し, その関連因子について検討した.
ISSN:0037-3826