9 右房原発心臓滑膜肉腫の1例

症例は39歳男性. 2010年1月より背部痛が出現したため鎮痛剤投与されていたが, 症状が悪化したため, CTを施行したところ, 右心房に巨大腫瘤, 肺に多発転移所見を認めた. FDG-PETを施行したところ右心房腫瘤に集積を認め, その他全脊椎骨, 肋骨, 骨盤骨, 四肢骨および肺への多発結節に集積を認めた. 心臓超音波検査では右房内に巨大腫瘤を認めるも, 右心系の虚脱は認めなかった. 心臓MRIでは右房の腔の半分ほどを占める腫瘤は一部筋層から心外膜を超えて脂肪層まで達していた. 経静脈的に右房内腫瘤の生検を施行したところHE染色では紡錘形細胞の増殖を認め, 免疫染色にてVimentin,...

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Published in信州医学雑誌 Vol. 60; no. 1; p. 37
Main Authors 荻原史明, 吉岡二郎, 戸塚信之, 宮澤泉, 臼井達也, 浦澤延幸, 佐藤俊夫, 加藤秀之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 信州医学会 2012
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ISSN0037-3826

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Summary:症例は39歳男性. 2010年1月より背部痛が出現したため鎮痛剤投与されていたが, 症状が悪化したため, CTを施行したところ, 右心房に巨大腫瘤, 肺に多発転移所見を認めた. FDG-PETを施行したところ右心房腫瘤に集積を認め, その他全脊椎骨, 肋骨, 骨盤骨, 四肢骨および肺への多発結節に集積を認めた. 心臓超音波検査では右房内に巨大腫瘤を認めるも, 右心系の虚脱は認めなかった. 心臓MRIでは右房の腔の半分ほどを占める腫瘤は一部筋層から心外膜を超えて脂肪層まで達していた. 経静脈的に右房内腫瘤の生検を施行したところHE染色では紡錘形細胞の増殖を認め, 免疫染色にてVimentin, Bcl-2が陽性であったことから滑膜肉腫と診断された. Doxorubicin投与および, 骨転移巣に対しては放射線療法を開始した.
ISSN:0037-3826